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ブログ記事

マタニティブルー
ベテラン助産師の本村啓子です 今回はマタニティブルーについてお話します。   マタニティブルー(Maternity Blues)は、妊娠中および出産直後の女性が経験する感情的な症状の一つです。 妊娠中および出産直後に感情的な変化や症状を経験する女性の割合はかなり高いとされています。 一般的に、妊娠中の感情的な変化やマタニティブルーを経験する女性は、おおよそ50%から85%程度と言われています。     マタニティブルーの原因  ホルモンの変化 妊娠中および出産後、女性の体内のホルモンバランスが大きく変化します。 特に、妊娠中および出産時にプロゲステロンとエストロゲンのレベルが急激に上昇し、 出産後に急激に低下します。 これらのホルモンの変化は、感情や気分に影響を与えることがあります。 睡眠不足 新生児の世話をするために、母親は通常、睡眠不足になります 夜間授乳は待ったなしですし、慣れない育児で緊張しているため睡眠不足におちいり マタニティブルーの症状を悪化させる可能性があります。 生活の変化 赤ちゃんが家庭に加わることで、生活のリズムや日常生活に大きな変化が生じます。 これは新しい母親にとって適応するための時間が必要でありますが 適応には時間がかかることがあります。  社会的責任 周囲の期待は、新しい母親にストレスをもたらすことがあります。 母親として完璧でありたいというプレッシャーは マタニティブルーの症状が強まる可能性があります。   マタニティブルーの症状 マタニティブルーの症状は、個人差があり、症状の強さや持続時間も異なります。 以下は、一般的なマタニティブルーの症状です。  感情の波 マタニティブルーの最も一般的な症状は、感情の波です。 産後のママは幸福感や興奮、不安、疲労感、イライラ、 さらには悲しみなどの異なる感情を意味なく経験することがあります。 泣く 感情の波と関連して、産後のママはよく泣くことがあります。 意味もなく泣きたい気持ちや感情が強くなることがあります。 不安と不安定な気分     産後のママはは、新しい責任や母親としての役割に不安や疑念を感じることがあります 。また、未知のことに対する不安も存在します。 集中力の低下 睡眠不足や感情の波が、産後のママの集中力に影響を与えることがあります。 思考が散漫になり、日常に集中できないことがあります。 対人関係の変化 産後のママの対人関係にも変化が生じることがあります。 パートナーや家族との関係でもストレスがかかることがあり、 コミュニケーションの調整が必要です。   マタニティブルーの管理方法 マタニティブルーは一時的な症状であり、多くの場合、数週間で自然に改善します。 しかし、以下の方法を試して、症状を軽くすることができます。 休息と睡眠 できる限り休息と睡眠を確保しましょう。 赤ちゃんが寝ている間に休憩を取り、睡眠不足を解消することは、気分を安定させるのに役立ちます。 一時的に夜間の授乳を家族に頼んだりして睡眠をとりましょう。 自己ケア 自己ケアは非常に重要です。 バランスの取れた食事を摂り、身体的な活動を行い リラックスする時間を持つことが大切です。  サポートシステムの活用 家族や友人、パートナーからのサポートを受けることは非常に重要です。 気持ちを共有し、感情を理解してもらうことで、孤独感を軽減することができます。 専門家のカウンセリングや、同じような体験を共有できるサポートグループへの参加も有益です。 専門家のアドバイスを受けることで、気分の安定に役立つツールやテクニックを学ぶことができます。     マタニティブルーとうつ病の違い マタニティブルーとうつ病は、いくつかの点で異なります。以下はその違いです。 期間 マタニティブルーは通常、出産後2週間から3週間以内に改善します。 一方、うつ病は長期間(少なくとも2週間以上)症状が持続するものです。 症状の重症度 マタニティブルーの症状は軽度から中程度であり、 通常、日常生活に大きな支障をきたさないことが多いです。 うつ病は症状が重く、日常生活に影響を与えることが一般的です。  治療 マタニティブルーは通常、自己ケアとサポートを受けることで改善します。 うつ病は専門的な治療が必要であり、薬物療法や心理療法が一般的に使用されます。   まとめ マタニティブルーは多くの新しい母親が経験する一時的な感情的な症状です。 無理をすると産後うつ病に移行する場合もあるので 周囲に助けを求めながら、ゆるく楽しい育児を行いましょう。 一番うれしいはずの時期に、自分を責めて泣いているママたちに沢山遭遇しました。 まじめな方が多いので、赤ちゃんは母乳や見る子を上げて、おむつを替えれたら99点ですよ というと安心して寝れるようになるママも沢山いました。 一生で数回しか来ない素敵なイベントですので 楽しんでくださいね! 悩んでるママには直接にそう声をかけてあげたいです! 私の声が届きますように^^ インスタライブ  ... 続きを読む...
産後1週間の新生児の様子
ベテラン助産師の本村啓子です 今回は産後1週間の新生児の特徴についてお話します。   産後1週間の新生児は、生まれてから1週間経過したばかりで まだ赤ちゃんとして体外への適応が進行中です。     新生児の身体 【新生児の体の特徴】 身長 約50cmで、生後1年頃には約1.5倍に成長します。   体重 出生時の体重は約3,000gで、生後2~3日は一時的に減少しますが、 10日程度で元に戻り、3カ月後には出生時の約2倍、1年後には約3倍に増加します 頭囲  出生時の頭囲は平均33cmで、まだ骨がくっついていないため 頭部に大泉門と小泉門が開いています。   胸囲  出生時の胸囲は頭囲より少し小さいです。 胸の筋肉は未発達なため、腹式呼吸をしています。   首 新生児期は首がグラグラしており、3~4カ月頃に首がすわります。   目  新生児の視力は0.01で近くのものしか見えず、立体感がありませんが、 2~3カ月後には視力が向上します。   耳 聴覚は発達しており、胎内から音を聞く能力を持っています。   鼻 匂いに敏感で、お母さんの匂いを嗅ぎ分けられます。   口  おっぱいをくわえて飲むことができ、舌の感覚は甘味などの味を区別できます。   肌 生まれたばかりの新生児は胎脂がついており、感覚があり、痛みやかゆみを感じます。   おへそ  へその緒は最初はみずみずしいですが 徐々に乾燥して生後1週間くらいでとれます。   手、足 新生児は手足をよく動かし、把握反射を持っています。   股関節 股関節が柔らかく、足がM字形に開いています。    新生児の生理   生まれてから2~3日の間は、一時的な減少が見られることがあります。 これは以下の理由によるものです 初期の排尿と便秘 新生児は出生直後から尿と便を排泄し始めますが、 最初は排尿や便秘が十分に行われないことがあります。 このため、体内に余分な水分や排泄物がたまり、体重が減少します。   初期の授乳 生れて2~3日までの新生児は、母乳や糖水(ミルク)を飲む量よりも排泄の量のほうが多いため 生理的に体重減少が起きてきます。 赤ちゃんの吸いつきが十分でなく、まだ出産時のストレスが残っているため 摂取量が少ないことがあります。 しかし、徐々に哺乳量が増え、体重は増加していきます。   黄疸(新生児黄疸) 産後数日から1週間程度で、多くの新生児が黄疸と呼ばれる 黄色い色素の蓄積による皮膚や白目の黄色化が見られます。 これは肝臓の機能が未熟で、ビリルビンという物質が排泄されないためです。 通常、1週間から2週間で自然に改善しますが、 症状が強い場合は医師の指示に従って治療が必要なこともあります。 新生児黄疸に付きましては以前のブログを参考にしてください。   睡眠パターン 新生児はまだ日夜の区別がつかず、約1~3時間ごとに授乳やおむつ替えをする必要があります。 彼らの睡眠サイクルは短く、深い眠りから急に目を覚まし、泣くことがあります。 お母さんも睡眠不足になりがちな時期で、昼間でも休めるときには睡眠をとるようにしましょう。   尿と便  生後24時間時間以内に排尿と排便が確認されることが重要です。 生後24時間以内に初回排尿・排便があります。 便は最初胎便とよばれる粘り気の強い暗緑色の便が生後2~3日排泄され、 その後、緑黄の泥状の便(移行便)となり、黄色い便に変わります。   皮膚 新生児落屑(皮膚の剥離)は生後2日頃からはじまり1~2週間程度続きます。 お腹の中で湿度の高い状態から,胎外の乾燥した場所になり 手足を中心に皮膚が乾燥して鱗状になり、やがて剥がれ落ちます。... 続きを読む...
新生児黄疸について
ベテラン助産師の本村啓子です 今回は新生児黄疸についてのお話です。   黄疸は、皮膚や白目が黄色く変色する症状です。 少しは耳にしたことがあると思います。 この黄色の色素はビリルビンという物質によって引き起こされます。     新生児黄疸の原因 ほとんどの新生児は生後数日から1週間以内に黄疸を発症します。 これは、新生児が赤血球を分解し、その過程で生成される ビリルビンをうまく処理できないことによるものです。   お腹の中ではママの身体を通して酸素をもらいます。 ママのお腹の中はいわば富士山の上並みに酸素が薄いのです。   胎内では沢山の赤血球により赤ちゃんに酸素を送ります。 生れたとたんに濃度の濃い空気中の酸素を吸いますので 必要のない赤血球が壊されて、分解されたビリルビンが排出が遅れると 黄疸という形で出現します。   新生児は、肝臓が未熟でビリルビンを処理できないため起こりやすいです。 他にも母乳栄養がビリルビンの排泄を妨げることあります。     影響   脳への影響 高度な新生児黄疸は、脳にビリルビンが蓄積することで脳障害を引き起こすリスクが増加します。 これは「核黄疸」として知られ、神経学的な問題や聴覚、運動、認知機能の障害を引き起こすことがあります。 肝臓への負担 新生児の肝臓はビリルビンを処理するのに十分に成熟していないことがあるため、 高度な黄疸が続くと肝臓に負担をかけることがあります。 これは肝臓の損傷や肝機能の低下につながる可能性があります。 核黄疸に関連して、赤ちゃんの意識が変化することがあります。 核黄疸は、このビリルビンが中枢神経系に影響を及ぼし、脳に損傷を与える場合があるため 交戦療法や、輸血などが行われる場合があります。 食欲不振や体重減少 強い黄疸が赤ちゃんの食欲を低下させ、体重減少を引き起こすことがあります。 これは育児において成長の問題を引き起こす可能性があります。     黄疸がひどくならないためには   適切な授乳 適切な授乳を行うことは新生児黄疸のリスクを低減させる重要な要因です。 母乳育児を行う場合、新生児は生後すぐに授乳を開始し、頻繁に授乳することが推奨されます 初乳に含まれる成分がビリルビンを効果的に排泄するのに役立ちます。 妊娠中の十分な栄養摂取 妊娠中に十分な栄養を摂取し、健康的な出生体重の赤ちゃんを産むことで、新生児黄疸の発症リスクを減少させます 妊娠期間中に適切な栄養を摂り、妊娠中の健康を確保しましょう。 赤ちゃんの十分な水分摂取 新生児には十分な水分摂取が必要です。 母乳やミルクを通じて水分を摂取できるようにし、脱水を予防します。 赤ちゃんが適切に水分を摂ることは、ビリルビンを体外に排出するのに役立ちます。   日光浴 日光浴が治療法として使われることがあります。 直射日光の当たらない、明るい場所で寝かせるなどでも ビリルビンの排泄には役にたちます。 気温に気を付けて、腕や、足、顔などを明るい光を あてるようにします。     治療 光線療法 通常、軽度から中程度の新生児黄疸は特別な治療を必要とせず、ビリルビンは自然に排泄されます 便や尿から排泄されますので、哺乳量を保つ必要があります。 しかし、重度の場合や黄疸が長引く場合は、特別な治療が必要となることがあります。 光線療法といわれる光線を浴びる治療が行われることがあります。 多くは24時間の光線療法で改善する場合が多いですが 改善結果次第では、48時間入る場合もあります。 母乳育児と黄疸  母乳育児を行う場合、母乳中の物質がビリルビンの排泄を妨げることがあるため 新生児黄疸が一時的に増悪することがあります。 しかし、通常は母乳育児を続けることが推奨されます。 医師や助産師のアドバイスを受けましょう。 自宅に帰ってから   まれに自宅に帰ってからも黄疸が出てくることがあります。 赤ちゃんの黄疸が急速に悪化した場合は特に顔や目が黄色くなり、 食欲不振や体重減少が見られる場合があります。 あまり頻度的には置きませんが 意識がぼんやりとした場合などは治療が必要ですので 産婦人科を受診しましょう.     まとめ 新生児黄疸はほぼ全員の赤ちゃんが経験します。 程度がどれくらいかで治療が必要になります。 医師に任せておけば大丈夫なものですからあまり心配せずに、 気持ちに余裕を持ちましょう。 とはいえ赤ちゃんが目隠しをされて、24時間も自分から引き離される感覚は 何とも言えず寂しいものです。 私も、第一子が新生児黄疸になり、わんわん泣いてしましました。... 続きを読む...
母乳とミルクの決定的な違い
ベテラン助産師の本村啓子です   母乳とミルクは、赤ちゃんに栄養を提供するため必要不可欠なものです。 どちらも赤ちゃんの成長と発育に必要な栄養を提供しますが、 成分、免疫効果、利点、注意点など、いくつかの違いがあります。 今回は、母乳とミルクの決定的な違いについて、初めてのママにわかりやすく説明します。   母乳とミルクの成分の違い 母乳の成分 母乳には、赤ちゃんの成長に必要な栄養素が均等に含まれています。 タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル、水分など、バランスの取れた栄養が含まれています。 右のホエイの消化のよい部分が多いです  母乳は赤ちゃんの未熟な消化器官に優しい形で提供され、吸収が効率的です。 さらに初乳と生乳でも成分は違います。   初乳(妊娠16 週頃から産生,産後2 日くらいまで)  ① たんぱく質濃度が高く,特に乳清蛋白中には免疫グロブリンやラクトフェリンなどの感染防御 因子が豊富である。  ② βカロテンを多く含むため黄色っぽい。  ③ ナトリウム(Na),クロール(Cl)を多く含みたい便の排泄をうながす    成乳(産後3 日以降)  ① 初乳と比べて蛋白質濃度が低く,乳糖と脂肪の濃度が高くなる。  ② 成乳になるにしたがって青白色で半透明の母乳へ変化する。  ③ 初乳と比べてNa,Cl 濃度が低い。   ミルクの成分 栄養素の調整 ミルクは母乳に似た栄養素を含むように設計されていますが、 厳密には母乳の成分と異なります。 ミルクは、乳タンパク質、乳脂肪、糖類、ビタミン、ミネラルを含み緑色の 固まりやすいカゼインが多いため消化が母乳に企画するを遅いです。   抗体と免疫成分   母乳には、抗体、免疫グロブリン、白血球などの免疫成分が含まれており 赤ちゃんを感染症から保護し、免疫系の発達をサポートします。 免疫物質である分泌型 IgA,ラクトフェリン、リゾチーム,マクロファージ(リンパ球の一種)が入っており 胃腸や粘膜に広がりウイルスや細菌,アレルギー物質の侵入を防いでくれます。 ※ ラクトフェリンー鉄結合性の糖たんぱく質で,含量は哺乳類の中でヒトの乳で最も高く特に成乳より初乳に多く含まれ ます。 また母乳は、将来のアレルギーや喘息のリスクを低減させることが示されています。    ミルクには母乳に含まれる抗体や免疫成分がほとんど含まれていません。 そのため、免疫システムのサポートが限られています。   赤ちゃんのあごの発育   母乳を吸うことは直接授乳により上あごや口周りの筋肉が発達し,歯並びや顔面形成がよくなる ミルクも現在は、吸啜しにくい乳首などが出ており、乳首を選ぶことで歯並び効果は得られます。 母親側のメリット    射乳ホルモンのオキシトシンが子宮の収縮を促し(子宮復古),出血量を減少させる  乳汁産生ホルモンのプロラクチンが,排卵の再開を遅くすることで自然な出産間隔を調節する  母親の閉経前乳癌,卵巣癌,子宮体癌を予防するなどの効果もあります。   母子の絆 母乳による授乳は母子の絆を強化し、スキンシップを増します。 ミルクの場合も、しっかりと抱っこしたりスキンシップを取ることで補えます。   利便性   母乳は、持ち歩く器具もなく手軽の上げれます。 ミルクは準備が簡単で、家族などが育児協力をするのに役立ちます。     まとめ   母乳は最適な栄養と免疫効果があります。 母乳とミルクのどちらを選ぶかは、個々の状況や好みに依ります。 母乳をあげれない場合も、ミルクをあげる場合も 育児はじゅにゅうだけではないので 自信をもって行うことが大事です。   さらに言うと、信頼と愛情が赤ちゃんには一番大事ですね^^ インンスタライブ   第1回目 「ゆるーく安産になる方法!」終了しました。 mamano_mikata_monna... 続きを読む...
産後の身体
ベテラン助産師の本村啓子です 産後の身体は、出産前と同じ生活ができるまでには およそ2カ月がかかります。 産後の身体のことを知り、順調に回復していきましょう。   産後の身体 乳房の緊満 出産後、ホルモンのバランスが大きく変化し、 母乳育児に適応するための準備が進み、胸が張ります。   腹部の変化  妊娠中に拡大した腹部の皮膚と筋肉は、出産後も時間がかかるまで元の状態に戻りません。 多くの女性は産後しばらくの間、おなかがたるんでいるように感じます。 膣の変化 産後、膣の筋肉は緩むことがあり、膣の周りの組織も腫れたり、裂けたりすることがあります。 これは自然な出産の結果であり、時間とセルフケアによって回復します。 骨盤の変化 出産時、骨盤は拡張し、骨盤の関節(恥骨結合や仙腸関節)が緩みます。 これは胎児の通過を容易にするための生理的な変化です。 しかし、この変化が続くことで、腰痛や骨盤の不安定感を感じることがあります。   腹直筋の分離 妊娠中にお腹が大きくなると腹直筋が横に分離することが多いです。 産後、、もどらないと、腰痛やお腹のたるみにつながります 骨格の変化 妊娠中に骨格にも変化が生じます。 胎児の重さに対応するために、特に胸椎や腰椎のカーブが増加することがあります。 精神的な変化 産後にはホルモンの変化や新しい育児の責任に対するストレスがかかり 精神的な変化も現れることがあります。   また、夜間の授乳などで睡眠不足になりがちで、過敏になったり、神経質になったり、 産後うつ病になることがあります。   寝れるときはできるだけ休みましょう・ 産後間もない時期も家族の協力を得て、長めに3時間は寝る時間を 1日1回でも補えると心身が楽です。 また、産後の身体のケアは非常に重要です。 産後の体操(産後体操)は、筋力を回復させ、姿勢を改善し、腹直筋を引き締めるのに役立つ方法の一つです。 特に産後すぐから始めることが、身体の回復に役立ちます。     産後体操 産後体操の目的 産後体操の主な目的は、腹直筋の分離を縮め、骨盤底筋を強化し、姿勢を改善することです。 これにより、腹部の筋肉を強化し、腰痛の予防や回復を支援します。   産後体操の開始時期 産後体操は、医師や助産師からの許可を得てから開始する必要があります。 通常、出産後数週間から数か月後に開始されます。   産後体操の時間 朝・夕の1日2回行いましょう 毎日行いましょう。   産後体操   産後体操の目的   ●分娩時にのびた腹壁や骨盤底筋の回復を速やかにします。 ●血液の循環をよくし、静脈内のうっ血や血栓を防ぐ。  ●悪露の排出、子宮の回復を早めます。 ●靱帯を強め、関節の屈曲性を増します。 ●筋肉の痛みをとり、疲労を回復させます。  ●内臓下垂を予防し、便秘にならないようにします。 産後1日目から簡単な産後体操で、身体を回復させます それでは方法について説明します。 腹式呼吸 1・ お 腹 に 手 を あ て 、 息をゆっくり吸います(3秒) 2・ゆっくり息を吐きます(5秒) 腹直筋のトレーニング 1・仰向けに寝て、膝を曲げます。 1・息を吐きながら腹部を縮め、頭を上げます。 2・5秒間保持し、ゆっくりとリラックスさせます。 3・これを10回繰り返します。 脚のストレッチ 1・寝ながら両足を伸ばし、つま先も伸ばします 2・片方の足先を上に曲げます。 3・同様に反対の足でも行います。 4・これを交互に10回繰り返します。 骨盤底筋トレーニング   1・寝ながら、膝を立てます。 2・骨盤底筋を収縮さながらおしりを引き上で戻します。 4・これを10回繰り返します。... 続きを読む...
子供の結婚後と出産直後に親として気を付けたいこと
ベテラン助産師の本村啓子です お嫁さんや義理の息子との関係を築くことは、家族関係の中でやや緊張としてとらえられることがあります。 なぜなら、育った環境の違ういわば他人が、家族としてこれから暮らしていくのです。 以下に、父母として、お嫁さんや義理の息子との良好な関係を築くためのいくつかのアドバイスを紹介します。 最初に家族として迎えた時、あとに出産直後の対応についてお話します。   家族として迎えた時 受け入れ   まずは、家族としての伝統や、しきたりはおいておき若い二人に任せながら 成長を手助けします。 自分たちで作り上げる理想の家族の形を見守りましょう。   新しく家族になる側もとても緊張しています。 暖かく見守り、息子や娘の幸せを願いましょう。 立場 お嫁さんや義理の息子との関係は対等であることを意識しましょう。 尊重と信頼を築くために、対等な関係を保つことが大切です。 お互いに尊重し、愛情をもって接することが大切です。 家族全体が協力し、幸せな関係を築く手助けをしましょう。 経験値的には、親がたくさんあるとは思いますが 失敗や悩みも経験しながら、若い2人は成長していきます。 失敗をしないような親心が逆に経験値を奪うことになるので 求められたときだけのアドバイスにとどめておきましょう。 特に子育てについてのアドバイスは、過去の古いやり方を押し付けたりせずに 親の決定や方法を尊重し、必要なときに助言を求められるようにサポートしましょう。 できることや長所がそれぞれ違うと思いますので 認めて、お互いが得意なことを尊重しましょう。 孫との関係 孫に愛情をたっぷり注ぎ、感情的なサポートを提供しましょう。 孫にとって祖父母は特別な存在であり、あたたかい関係が大切です。 孫と一緒に学び、遊びましょう。 小さいころから、孫の喜ぶ読み聞かせや、一緒に遊ぶなど、楽しい時間を共有しましょう。 コミュニケーションを大切にし、孫の興味や関心を尊重し、 対話や、一緒に過ごす時間を通じて信頼関係を築きましょう。 孫の安全を最優先にして、家の中や庭で遊ぶときには、 危険な物品や場所に注意を払い、安全な遊び環境を提供しましょう。 子どもにとって家の中は危険がいっぱいです。 机の角、椅子、落ちている小銭、薬・・いろんなものが 危険なものに早変わりします。 遊べる空間を確保し、危険を取り除きましょう。 パパママとの協力やコミュニケーションを円滑にとり 親の教育方針にはあまり口出しをしないようにしましょう。 (命の危険や、社会的に大きく違うような場合は別です) 孫の個性や特長を尊重し、受け入れましょう。 孫との共有した楽しい思い出を大切にしましょう。 写真を撮ったり、一緒にアクティビティを楽しんだりすることで、 素晴らしい思い出ができます。 自分自身の健康 自分自身の健康を大切にし、孫と過ごす時間を楽しむために元気でいることが大切です。 祖父母として、孫にとって安全で愛情に溢れ、親の支えとなる存在であることが大切です。 尊敬されるべき立場を磨きながらも 楽しい家族の一員としての役割を全うしましょう。   出産時 出産時に親として、以下のような配慮をすることが大切です。 出産時の祖父母としての役割は夫婦の意向を尊重し 安全と配慮を提供して、家族全体が幸せな瞬間を作るサポートです。 出産のときや授乳時はプライバシーを守り配慮する お嫁さんや義理の息子のプライバシーを尊重しましょう。 適切な距離を保ちつつ、必要なサポートを提供しましょう。 出産に立ち会うかどうかは、各家庭で違うと思いますが 一般的には緊張を伴いますので、よほど頼まれない限りは遠慮しましょう。 まずは親の意向を尊重しましょう。 ※私も、たくさん産婦さんに、義父母は分娩室に入れないでくださいと お願いされました。 これは、処置自体が恥ずかしさを伴うものだったり 陣痛で苦しんでいる姿を見られたくなかったり、義父母に気を使える状況ではないからです。 その辺りのことを配慮してあげましょう。   尊重と理解   お嫁さんや義理の息子の価値観を尊重し、理解を示しましょう。 彼らの意見や価値観を尊重し、適切な理解を示すことが大切です。 特に名前を決めたりと、夫婦にとって楽しいことには口出ししないようにしましょう。 昔の感覚と、今の感覚は違う場合も多いので、余計な一言が後々の緊張関係を産むこともあります。 繊細な配慮 出産後、新しい家族が一緒に過ごす大切な時間があります。 父母として、夫婦のプライバシーを尊重しましょう。 産後は疲れているので、あまり長い時間の面会は避けます。 特に義理父母の立場ですと入院中は10~15分くらいまでが負担にならないようです。 赤ちゃんを見て一緒に喜びたい気持ちは十分わかりますが 産後は睡眠が十分にとれないことも多いので、面会時間も幅をもって予定し 連絡をとって、睡眠時間などを配慮したものにしましょう。 授乳時間や、赤ちゃんの育児に合わせて、ママは休める時間もバラバラですので。   また、出産時はホルモンの変化が激しい時期ですので、大きな感情的な変化があります。 祖父母として、産後の感情を理解しましょう。   協力とサポート   父母の先輩として、また家族として新しい命を祝福し、お祝いの言葉を贈りましょう。... 続きを読む...
出産後の母乳管理 出産当日~1日目
ベテラン助産師の本村啓子です 今日は出産後の母乳管理についてお話します 出産当日 初回授乳 初回の授乳は、通常、出産後30分以内に行うことが推奨されています。 (母児に問題がないことが前提です)   初乳の授乳   出産直後の母乳は初乳と呼ばれ、非常に栄養価が高く、 赤ちゃんの免疫を強化する成分を含んでいます。 初回の授乳で初乳を提供することが重要で、出産後すぐに授乳を始めることで、 赤ちゃんに免疫物質や栄養素を供給できます。 また、胎便と呼ばれる緑色の便を早く排泄できます。 授乳の早期開始 初回の授乳が早く行われれば、母乳の供給と需要の調整がスムーズに始まります。 授乳によりオキシトシンというホルモンが分泌され 母乳分泌量も増え、子宮収縮が進みます。 オキシトシンは愛情ホルモンともいわれ、児への愛情と絆が深まります。 また、初回の授乳は母子の絆を強化する貴重な瞬間でもあります。 親子の肌と肌の接触や相互作用は、感情的なつながりを促進し、 赤ちゃんの安心感を高めます。 体温調節 カンガルーケアは早産児や低体重児などの新生児に対して 親とのスキンシップを通じて行うケアのアプローチです。 この方法は、母親や父親が新生児を胸に抱きかかえ、肌と肌を密着させることを特徴としています カンガルーケアは、新生児の体温調節がサポートされます。 母親の体温を借りて赤ちゃんの体温が安定しますが まだ生まれたばかりで呼吸状態が安定しませんので、赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。   頻繁な授乳   新生児は通常、2〜3時間ごとに授乳が必要です。 授乳の頻度は母乳の分泌を増加し、乳腺を刺激して母乳の量の増加を促します。 これは夜間も変わりませんが当日は同室することは少なく 産後1日目に授乳の指導とともに母児同室されることが多いです。  自分でできる母乳マッサージを行ってから授乳しましょう。   基底部マッサージ 両手を胸の下から上に向かってゆっくりとやさしく上げるように動かしましょう。 痛みを感じない範囲で行いましょう。 乳頭マッサージ ・指先を使って乳頭を刺激します。三本の指を使い乳首をつまむようにしながら  乳腺を刺激し、乳頭を柔らかく保ちます。   (乳首が硬かったり、引っ込んでいる場合も妊娠中の手入れで   飲みやすい形へと成長します)   授乳のタイミング   授乳は赤ちゃんが泣いたら行うようになります。 赤ちゃんが授乳を求める兆候を観察し、 泣き声や口を舐める動作などがあれば、授乳の合図と考えます。   3時間おきというのを聞いたことがあると思いますが それはちゃんと分泌が出てきた場合でなおかつミルクの場合が多いです。 母乳は消化がいいので2時間おきということもありますし、私は最初は1時間おきでした。 そこまで頑張る必要はないですが、身体を休めつつ頻回に上げることも多いということを知っておいてください。 初めの1日の授乳回数の平均は12~15回のことが多いようです。 ※産院によっては3時間おきを守りましょうと指導されることもありますが 母児とも人間なので、機械的にはなかなかいきませんね。   注意 授乳したばかりで泣く場合はおむつが汚れていないか、げっぷがたまり苦しくないか 暑くないか、かぶれはないか などほかの場合もあるため、おむつを替えて抱っこしてみましょう。   適切な姿勢 授乳中、適切な姿勢を保つことが大切です。 背中を丸めずに、赤ちゃんと母親が快適な姿勢を保つことで、授乳がスムーズになります。 親と赤ちゃんが快適な姿勢になるように、授乳クッションやサポートを利用し、 赤ちゃんの口の位置と乳房の高さを調節しましょう。 母乳の量 出産後の嘔吐がなくなったタイミングで便が出たのを確認しながら 糖水や、ミルクを与える病院もあります。 病院の指導内容にはやや違いはありますが 疑問があれば聞いてみましょう。   1回に飲む量 1回に飲む量は10か月で生まれた正期産の場合は 当日から1日目 10cc 産後2日目   20㏄ 産後3日目   30㏄ 産後4日目   40㏄ 産後5日目   50㏄ 産後6日目   60㏄ 産後7日目   70㏄ ※±10㏄の場合もあります    ・   ... 続きを読む...
出産後まもなくに出る初乳って何?
ベテラン助産師の本村啓子です なんと、母乳は血液からできています。 そんな母乳の成分は実は赤ちゃんの成長とともに変化するんです。 続きを読む...
出産時のママと赤ちゃんの時間の流れ
ベテラン助産師の本村啓子です 分娩と出産の過程は、ママと赤ちゃんにとって特別な瞬間です 今回は分娩や出産の時のママと赤ちゃんの時間の流れについて説明します。   入院   破水や陣痛が始まり、陣痛の間隔が短くなってきた場合は病院に入院します。 パートナーや家族と一緒に行きましょう。 (新型コロナでの面会の制限は病院で違います)   陣痛の進行 陣痛室、または入院の部屋で過ごします。 陣痛は徐々に強まり、子宮口が開いていきます。 医療スタッフは陣痛の進行を監視ながら 子宮口が全開になるまでをここで過ごします。 (2人目以降はもっと早くに分娩室へ移動します) 初めての出産は陣痛開始から子宮口が全開まで12〜18時間かかります。 2人目以降はその半分の時間くらいです。 ※破水しても陣痛が来なければ生まれません。 破水から24時間たっても陣痛が始まらない場合は 何らかの進行措置が取られる場合が多いです。   分娩室への移動 子宮口が全開したら、ママは分娩室に移動します。 分娩の進行をモニタリングし、必要なケアを提供します。   出産時の出血に備えて、点滴をすることも多いです。 分娩の進行 子宮口が全開しら、医師や助産師の指導のもとで、 ママは陣痛に合わせて力むことになります。   初めての出産は子宮口が全開してから生まれるまでに1~2時間かかります。 2人目以降は15分~30分で終わる場合が多いです。    赤ちゃんの誕生   赤ちゃんが頭を出すと、医師や助産師が赤ちゃんの誕生をサポートします。 会陰の伸びが悪い場合などは会陰切開が行われます。 生れたと同時にお腹の上で赤ちゃんと対面することが多いでしょう。 臍帯の切断 赤ちゃんが誕生したら、通常は臍帯が切断され、母親と赤ちゃんを分離します。 そのあと、胎盤は子宮の中からはがれ落ちます。 通常出産後5~10分ほどで剥がれます。    身体検査とケア 赤ちゃんは生後すぐにインファントウォーマーの上で 身体検査を受け、健康状態が確認されます。 呼吸状態が落ち着くまで、しばらくかかったり 必要に応じて新生児診療室に移動することもあります。 皮膚接触と授乳 母子に問題がない場合は、赤ちゃんはすぐに母親との初回授乳を経験します。 この初回授乳は赤ちゃんの体温調節や母子の絆を促進します。    家族との時間 出産が終了したら、家族や友人がママと赤ちゃんを訪れることができます。 (疲れるので、この時期は家族だけにしておきましょう) 出産後2時間   出産後2時間は出血が多かったりする場合が多いため母児ともに分娩室で過ごすことが多いです。 ママは分娩室でケアを受け、出血の管理や身体の状態に問題がないか観察されます。 問題がなければ居室に戻ります。 産後6時間は別途上で安静にする事が多いため車いすでかえることが多いです。   産後6~8時間以降 出産で尿意がマヒする場合があるため、トイレに歩きます。 その際の説明があります。 トイレは3時間おきにはいくようにします。   母児同室 特に問題がなければ、産後当日、または1日目から母児同室が始まります。 この流れは一般的な分娩と出産のながれですが、 個々の状況や病院によって異なることがあります。 医療スタッフとコミュニケーションを取りながら 安全で健康的な出産を行いましょう。   あなたの、安産を願っています。   インスタライブ 3000人の出産の介助経験を持つ ベテラン助産師がインスタライブで、ママの質問に答えます 質問があればあらかじめこちらブログのコメント欄にお願いしますね。 mamano_mikata_monna ↑インスタフォローお願いします   続きを読む...
赤ちゃんが胎内で無菌状態でいるところから菌の獲得の仕方
ベテラン助産師の本村啓子です   今回は赤ちゃんが胎内で無菌状態でいるところから いろんな菌の獲得の仕方。産道や、初回授乳などで獲得していく様子をお話合しします。   胎内での赤ちゃんは膜に囲まれ、羊水も無菌状態です。 胎児の胃腸や、体内にも菌は存在しません。 ではどのように赤ちゃんは菌を獲得していくのでしょうか。   菌の獲得 産道からの最初の接触 赤ちゃんが菌と最初に接触するのは、出生時に母親の産道を通るときです。 母親の産道にはさまざまな微生物が存在し、赤ちゃんはこの過程で母親から細菌を受け取ります。 これにより、赤ちゃんの腸内細菌叢(腸内フローラ)が形成されます。 初回の授乳 初回の授乳でも、赤ちゃんは細菌を取り入れます。 ママの肌にいる肌を守る常在菌などを獲得します。 また、母乳には赤ちゃんの腸内細菌叢をサポートするための プレバイオティクス(腸内細菌を増やす食物成分)が豊富に含まれています。 母乳に含まれるこれらの成分は、赤ちゃんの腸内細菌叢の形成に役立ちます。 スキンシップ 産後、スキンシップ接触は母親と赤ちゃんの間で非常に重要です。 この接触は、母親の皮膚と赤ちゃんの皮膚が直接接触することを意味し、 感情的な結びつきを促進するだけでなく、微生物の転送にも役立ちます。 母親からの微生物は、赤ちゃんの皮膚にも影響を及ぼします。 環境からの微生物 赤ちゃんは、家庭環境や周囲の人々からも微生物を獲得します。 触れる、抱っこする、なめる、家の中をはうなど、赤ちゃんは自然な方法で微生物を取り入れます。 兄弟姉妹やペットとの接触も微生物の獲得に影響を与えることがあります。 食事 一定の年齢に達すると、食事が開始され、 いろんなものを食べるようになり 腸内細菌叢は多様性を増します。 納豆やヨーグルト初め、多くの異なる食品を摂ることが、健康な腸内細菌叢の形成に重要です。   まとめ 赤ちゃんの菌の獲得は、免疫系や消化器系の発達にとって非常に重要であり、 赤ちゃんの健康に大きな影響を与えます。 産道からの細菌受け渡しや母乳の授乳、親との接触、環境との関わりなど、 さまざまな要因が赤ちゃんの腸内細菌叢の形成に寄与します。 この細菌の受け渡しは赤ちゃんの免疫系の正常な発達と、将来の健康に関連しています。 妊娠中から、ママ自身も健康な菌を持ち、赤ちゃんにいいものを渡していきたいですね。   インスタライブ 3000人の出産の介助経験を持つ ベテラン助産師がインスタライブで、ママの質問に答えます 質問があればあらかじめこちらブログのコメント欄にお願いしますね。 mamano_mikata_monna ↑インスタフォローお願いします   続きを読む...
日本における無痛分娩
ベテラン助産師の本村啓子です。 今日は無痛分娩についてお話します   日本では現在「自然分娩」や「和痛分娩」が主流です。 この方法は、麻酔や薬物を使用せず、母親が自然な体の反応に従って子どもを出産することを目指します。 和痛分娩は、分娩室での分娩の際に、母親がリラックスし、 痛みを和らげるために様々な方法やテクニックを用いることを特徴としています。   出産は病気ではないため、特別な場合がない場合は 自然分娩や和痛分娩の方法がとられます。     無痛分娩 無痛分娩は、分娩時に疼痛を軽減するために用いられる医療処置です。 先進国では広く行われており日本でも近年多くなっています。 (2016年)アメリカ73.1%、フランス82.2%、イギリス60%、日本は6.1%。  (2020年)に、日本でも8.6%まで上昇していますが、欧米各国と比べるとまだ少ないです。 これは日本の国民性と紐付きが多く、我慢を美徳とする伝統があったことも否めません。 また出産は病気ではないため無痛分娩のデメリットもあるため なかなか広がらない理由もあります。 麻酔を使うため、麻酔に熟練した産婦人科医もいないとできないのも 理由の一つではあります。   メリット   疼痛緩和 無痛分娩は、分娩時の疼痛を軽減します。 これにより、分娩がより快適に感じられ、ストレスや不安が軽減されることがあります。 リラックス 疼痛が軽減されるため、母親はよりリラックスし、分娩に集中できます。 これは分娩の進行を支援し、産後の体力を保存します。 長時間の分娩への対処 分娩が長時間続く場合、無痛分娩は母親の疲労を軽減し、疼痛に耐えることなく待機できます。   デメリット   副作用 無痛分娩には麻酔による副作用がある可能性があります。 例えば、軽度の頭痛、血圧の低下、かゆみ、吐き気、腹痛などあります。 また頭痛など麻酔による後遺症が報告されることもあります。 運動制限 無痛分娩の際、モニター管理が必要なためベッドに拘束されることがあります。 これは、産婦がわからない陣痛感覚の管理や、麻酔による心音の低下などを早期に発見するためです。 分娩の進行   無痛分娩が進行を遅らせることがあるとされています。 特に第2期といわれる、全開大してからのいきみができずに、吸引分娩になる場合も多く見られます。 術式のリスク: 無痛分娩を行うためには、腰部に針を挿入する必要があります。 その場合は手術と同じ扱いで、腰部を消毒し挿入しますが、希に感染や出血のリスクがあります。 また、手技的な問題で、片方だけの下半身に麻酔がきいてしまうこともあります。 ほとんどは、点滴による分娩促進とセットで、分娩促進剤によるリスクもあります。 金銭的負担 無痛分娩の場合は10万円くらいの追加の負担があることが多いでしょう。   その他の制限 出産体位や、日時など指定されることが多いでしょう。 病産院と計画的に進めていきましょう    まとめ 個人的にはどちらがいいということはありません。 自然分娩でたくさんの出産もお手伝いしてきましたし、 パニック障害や精神的な理由があったり、腹圧をかけれない病気などの場合は 安心するために無痛分娩で問題なく分娩されていました。 ただ、病産院の先生によっては扱っていなかったりしますので 希望は早めに伝えて、出産日を待ちましょう。 出産時はいろんなハプニングもあり、うまくいかないこともあるかもしれません。 ですがまずは母子が安全で、健やかであることが一番大切です。 それは体だけではなく心も健全であることが望まれます。 私たち医療者は、その助けができることを皆望んでいます。 わからないことは、専門家に尋ねながら、安心したマタニティ期間を過ごしましょう。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 3000人の出産の介助経験を持つ ベテラン助産師がインスタライブで、ママの質問に答えます 質問があればあらかじめこちらブログのコメント欄にお願いしますね。 mamano_mikata_monna ↑インスタフォロー願います   続きを読む...
帝王切開と自然分娩!帝王切開では親になれないとか!?
ベテラン助産師の本村啓子です   今日は帝王切開と自然分娩についてお話します 帝王切開と自然分娩はどちらの方法も利点と欠点があり 個々の状況や選択肢に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。 以下に、それぞれの方法について詳しく説明します。   自然分娩 医療的な介入をせずに行う経腟分娩のことを自然分娩と言います。 陣痛や腹圧など、母体の持つ力で胎児を分娩することです。 会陰切開などは行うことがあります。 自然分娩に含まれるもの「フリースタイル出産」「ソフロロジー式分娩法」「ラマーズ法」「水中出産」  特徴 自然のプロセスを尊重 分娩は、女性の身体が自然な形で分娩プロセスを進めることを重視します。 子宮収縮と陣痛の力を利用して、赤ちゃんを生み出す方法です。 回復が速い 通常、自然分娩後の回復期間は比較的短く、産後の身体的な不快感が少ないことが多いです。 特に切開部の痛みへの回復は3日ほどで緩和されてきます。 母子の絆を早期に強化できる 出産後の様子では、カンガルーケアを行ったり、母親の体との密接な接触を持てたり 当日から同室するなど早期に密接な関係をきずけます。 合併症のリスクが低い 帝王切開に関連する一部の合併症のリスクが低いです 帝王切開   緊急時や合併症時の安全性 帝王切開は、緊急の状況や母体や胎児にリスクがある場合に安全で迅速な選択肢として利用されます。 例えば、胎児の心拍異常、骨盤位の赤ちゃん、母体の合併症などが該当します。 計画的な出産 帝王切開は出産日を計画的に設定できるため、予定的な帝王切開も行われます。 これは日中の医師や助産師などの人出の多い時に行われることが多く 特に、胎児の健康に影響を及ぼす可能性のある状況に対して採用されます。 過去の帝王切開の経験 過去に帝王切開を経験した女性は、通常、次回の出産でも帝王切開を選ぶことが推奨されます。 帝王切開と自然分娩のどちらが良いかは、医師の考え方や、個別の状況に依ります。 医師との相談や詳細な検討が必要ですが、最終的には母子の安全性と健康を最優先に考え 適切な出産方法を選択するべきです。   まとめ   他人が帝王切開で出産したことで母になれないなどと バカバカしいことをいう人もありますが、全く気にする必要はありません。 出産で何かと後悔をしている産後ママをたくさんサポートしてきましたが 無事に生まれたら99.9点だと私は思いま~す! あとの0.1点を埋めることは必要はないですよ^^ 母子が安全に出産することが一番大事ですし 出産は長い人生の中のほんの一瞬です。   今後どのようにいきいきと素晴らしい子に育てるかのほうがママとして大切ですね。 ※3000人以上の出産を取り上げてきた経験をインスタライブで お話しようと思います。 興味がある方は、ぜひフォロー、いいねお願いしておきます。 続きを読む...