新生児黄疸について

ベテラン助産師の本村啓子です

今回は新生児黄疸についてのお話です。

 

黄疸は、皮膚や白目が黄色く変色する症状です。

少しは耳にしたことがあると思います。


この黄色の色素はビリルビンという物質によって引き起こされます。

 

  新生児黄疸の原因


ほとんどの新生児は生後数日から1週間以内に黄疸を発症します。


これは、新生児が赤血球を分解し、その過程で生成される

ビリルビンをうまく処理できないことによるものです。

 

お腹の中ではママの身体を通して酸素をもらいます。

ママのお腹の中はいわば富士山の上並みに酸素が薄いのです。

 

胎内では沢山の赤血球により赤ちゃんに酸素を送ります。

生れたとたんに濃度の濃い空気中の酸素を吸いますので

必要のない赤血球が壊されて、分解されたビリルビンが排出が遅れると

黄疸という形で出現します。

 

新生児は、肝臓が未熟でビリルビンを処理できないため起こりやすいです。

他にも母乳栄養がビリルビンの排泄を妨げることあります。

 

  影響

 

脳への影響


高度な新生児黄疸は、脳にビリルビンが蓄積することで脳障害を引き起こすリスクが増加します。

これは「核黄疸」として知られ、神経学的な問題や聴覚、運動、認知機能の障害を引き起こすことがあります。


肝臓への負担

新生児の肝臓はビリルビンを処理するのに十分に成熟していないことがあるため、

高度な黄疸が続くと肝臓に負担をかけることがあります。


これは肝臓の損傷や肝機能の低下につながる可能性があります。


核黄疸に関連して、赤ちゃんの意識が変化することがあります。

核黄疸は、このビリルビンが中枢神経系に影響を及ぼし、脳に損傷を与える場合があるため

交戦療法や、輸血などが行われる場合があります。


食欲不振や体重減少


強い黄疸が赤ちゃんの食欲を低下させ、体重減少を引き起こすことがあります。

これは育児において成長の問題を引き起こす可能性があります。

 

  黄疸がひどくならないためには

 

適切な授乳

適切な授乳を行うことは新生児黄疸のリスクを低減させる重要な要因です。

母乳育児を行う場合、新生児は生後すぐに授乳を開始し、頻繁に授乳することが推奨されます

初乳に含まれる成分がビリルビンを効果的に排泄するのに役立ちます。


妊娠中の十分な栄養摂取


妊娠中に十分な栄養を摂取し、健康的な出生体重の赤ちゃんを産むことで、新生児黄疸の発症リスクを減少させます

妊娠期間中に適切な栄養を摂り、妊娠中の健康を確保しましょう。


赤ちゃんの十分な水分摂取


新生児には十分な水分摂取が必要です。

母乳やミルクを通じて水分を摂取できるようにし、脱水を予防します。

赤ちゃんが適切に水分を摂ることは、ビリルビンを体外に排出するのに役立ちます。

 

日光浴

日光浴が治療法として使われることがあります。

直射日光の当たらない、明るい場所で寝かせるなどでも

ビリルビンの排泄には役にたちます。


気温に気を付けて、腕や、足、顔などを明るい光を

あてるようにします。

 

  治療


光線療法


通常、軽度から中程度の新生児黄疸は特別な治療を必要とせず、ビリルビンは自然に排泄されます

便や尿から排泄されますので、哺乳量を保つ必要があります。


しかし、重度の場合や黄疸が長引く場合は、特別な治療が必要となることがあります。

光線療法といわれる光線を浴びる治療が行われることがあります。


多くは24時間の光線療法で改善する場合が多いですが

改善結果次第では、48時間入る場合もあります。


母乳育児と黄疸


 母乳育児を行う場合、母乳中の物質がビリルビンの排泄を妨げることがあるため

新生児黄疸が一時的に増悪することがあります。

しかし、通常は母乳育児を続けることが推奨されます。

医師や助産師のアドバイスを受けましょう。


自宅に帰ってから

 

まれに自宅に帰ってからも黄疸が出てくることがあります。

赤ちゃんの黄疸が急速に悪化した場合は特に顔や目が黄色くなり、

食欲不振や体重減少が見られる場合があります。


あまり頻度的には置きませんが

意識がぼんやりとした場合などは治療が必要ですので

産婦人科を受診しましょう.

 

  まとめ


新生児黄疸はほぼ全員の赤ちゃんが経験します。


程度がどれくらいかで治療が必要になります。

医師に任せておけば大丈夫なものですからあまり心配せずに、

気持ちに余裕を持ちましょう。


とはいえ赤ちゃんが目隠しをされて、24時間も自分から引き離される感覚は

何とも言えず寂しいものです。


私も、第一子が新生児黄疸になり、わんわん泣いてしましました。

知識があっても産後はメンタルの波が激しく動きますので

仕方ないですね。

 

身体を休めつつ、自分にできることをやりましょう^^


インスタライブ

 

第1回目

「ゆるーく安産になる方法!」終了しました。

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3000人の出産の介助経験を持つ

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