産後1週間の新生児の様子

ベテラン助産師の本村啓子です

今回は産後1週間の新生児の特徴についてお話します。

 

産後1週間の新生児は、生まれてから1週間経過したばかりで

まだ赤ちゃんとして体外への適応が進行中です。

 

  新生児の身体

【新生児の体の特徴】

身長

約50cmで、生後1年頃には約1.5倍に成長します。

 

体重

出生時の体重は約3,000gで、生後2~3日は一時的に減少しますが、

10日程度で元に戻り、3カ月後には出生時の約2倍、1年後には約3倍に増加します


頭囲


 出生時の頭囲は平均33cmで、まだ骨がくっついていないため

頭部に大泉門と小泉門が開いています。

 

胸囲


 出生時の胸囲は頭囲より少し小さいです。

胸の筋肉は未発達なため、腹式呼吸をしています。

 


新生児期は首がグラグラしており、3~4カ月頃に首がすわります。

 


 新生児の視力は0.01で近くのものしか見えず、立体感がありませんが、

2~3カ月後には視力が向上します。

 


聴覚は発達しており、胎内から音を聞く能力を持っています。

 


匂いに敏感で、お母さんの匂いを嗅ぎ分けられます。

 


 おっぱいをくわえて飲むことができ、舌の感覚は甘味などの味を区別できます。

 


生まれたばかりの新生児は胎脂がついており、感覚があり、痛みやかゆみを感じます。

 

おへそ


 へその緒は最初はみずみずしいですが

徐々に乾燥して生後1週間くらいでとれます。

 

手、足


新生児は手足をよく動かし、把握反射を持っています。

 

股関節


股関節が柔らかく、足がM字形に開いています。

 

 新生児の生理

 

生まれてから2~3日の間は、一時的な減少が見られることがあります。

これは以下の理由によるものです


初期の排尿と便秘


新生児は出生直後から尿と便を排泄し始めますが、

最初は排尿や便秘が十分に行われないことがあります。

このため、体内に余分な水分や排泄物がたまり、体重が減少します。

 

初期の授乳


生れて2~3日までの新生児は、母乳や糖水(ミルク)を飲む量よりも排泄の量のほうが多いため

生理的に体重減少が起きてきます。


赤ちゃんの吸いつきが十分でなく、まだ出産時のストレスが残っているため

摂取量が少ないことがあります。


しかし、徐々に哺乳量が増え、体重は増加していきます。

 

黄疸(新生児黄疸)

産後数日から1週間程度で、多くの新生児が黄疸と呼ばれる

黄色い色素の蓄積による皮膚や白目の黄色化が見られます。


これは肝臓の機能が未熟で、ビリルビンという物質が排泄されないためです。


通常、1週間から2週間で自然に改善しますが、

症状が強い場合は医師の指示に従って治療が必要なこともあります。


新生児黄疸に付きましては以前のブログを参考にしてください。

 

睡眠パターン


新生児はまだ日夜の区別がつかず、約1~3時間ごとに授乳やおむつ替えをする必要があります。


彼らの睡眠サイクルは短く、深い眠りから急に目を覚まし、泣くことがあります。

お母さんも睡眠不足になりがちな時期で、昼間でも休めるときには睡眠をとるようにしましょう。

 

尿と便

 生後24時間時間以内に排尿と排便が確認されることが重要です。

生後24時間以内に初回排尿・排便があります。


便は最初胎便とよばれる粘り気の強い暗緑色の便が生後2~3日排泄され、

その後、緑黄の泥状の便(移行便)となり、黄色い便に変わります。

 

皮膚


新生児落屑(皮膚の剥離)は生後2日頃からはじまり1~2週間程度続きます。


お腹の中で湿度の高い状態から,胎外の乾燥した場所になり

手足を中心に皮膚が乾燥して鱗状になり、やがて剥がれ落ちます。


 病気ではなく自然な生理現象で、一時的なものです。

 生後1ヶ月頃にはほとんどの赤ちゃんが落ち着きます。

 

  まとめ

 

産後はママは慣れない育児でヘトヘト、さらに睡眠不足で心身が疲れます。

またホルモンバランスが大きく変化する時期ですので

家族が力を合わせてフォローすることが大切です。


この時期は精神的に不安定になりやすい時期なので、

精神面でのフォローにも気を付けましょう。


精神的フォローについては、また次回に^^

 

インスタライブ

 

第1回目

「ゆるーく安産になる方法!」終了しました。

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インスタにアーカイブ残っています。


3000人の出産の介助経験を持つ

ベテラン助産師がインスタライブで、ママの質問に答えます

次回は皆さんの希望の内容で行いたいと思います。


次回は母乳の話をしようかなと思います。

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