第2話:反射と発達から考える寝かしつけ

こんにちは、助産師歴38年ベテラン助産師ケイコです。
今年もやります!!いいお産の日イベント💕(ゲスト:おたんこ助産師さん)


私はこれまでに3000件以上のお産に立ち会い
たくさんのママたちの授乳のお悩みに寄り添ってきました。
また専門家としてTVや新聞で多数出演させていただきました。

MC:ぺこぱさん

今回はママの育児で起きやすいお困りごとについて
第1回から10回にわけてシリーズでお話しますね。


今回は第1話でもお話した夜寝ない問題についてのお話です。
これ産後のママの悩みでダントツのNo1なんです。


実は、赤ちゃんが眠れないのは反射や脳の発達の仕組みに理由があるんですよね。


  赤ちゃんの発育


赤ちゃんは小さな物音や姿勢の変化で目を覚ましやすく、
ママは「どうして?」と疲れ果ててしまいます。

でもこれは、赤ちゃん特有の反射や脳の未熟さからくる自然な反応なんです。




たとえば、

  • モロー反射(ビクッと手足を広げる反射)で起きてしまう

  • 脳の「睡眠を保つ仕組み」がまだ未発達で浅い眠りが多い

  • 呼吸や体温調整も未熟で、寝付くのに時間がかかる

という特徴があるんですよね。

以下に反射と発達から考える寝かしつけについてお話しますね。


  反射・発達を踏まえた3つの工夫


安全なおくるみ(クルミ)で安心感を

 赤ちゃんが大きな音や姿勢の変化でびっくりして、
 手足をビクッと大きく広げてから抱きつくように戻す動きのことをモロー反射といいます。

 生後すぐから見られる原始
反射で、通常は生後4〜6か月ごろには自然に消えていきます。


 モロー反射で手足が動いて起きてしまう赤ちゃんには、
 腕をやさしく包む「おくるみ」が効果的です。


 ただし、きつすぎるスワドルは股関節の発達や窒息リスクを高めますし
 手が出せないものは発達を邪魔します

   
 そこでおすすめなのが「クルミ」 股関節は自由に動かせる形で、上半身だけを安心感で包む工夫です。
 掛物などでの窒息を避ける効果もあります

 

横向き・うつ伏せは日中の見守り時のみ

 
 乳幼児突然死症候群(SIDS)予防のため、就寝時は必ず仰向けが原則です。


 就寝前に横向き・軽いうつ伏せ体勢を経験
 日中の見守りがある時間に、赤ちゃんを横向きや

 軽くうつ伏せにさせてあげると安心して落ち着きやすい子もいます。


 運動発達にも良い刺激
 横向きやうつ伏せで頭を持ち上げる動きは、首や背中、体幹の筋肉を鍛える運動にもなります。
 また、胸やお腹に圧がかかることで呼吸の感覚も育ちやすく、自律神経の安定にもつながります。


 注意点
 あくまで「遊びや寝かしつけ前の準備」として取り入れる程度に。
 必ず 日中・保護者が見守っている時だけ に行い、眠ってしまったら仰向けに戻すことが大切です。



寝かしつけは脳の安心スイッチを意識する

寝かしつけは「脳の安心スイッチ」を押すことです

赤ちゃんはまだ、自分で気持ちを切り替える力(セルフコントロール)が未発達です。
だからこそ ママやパパの関わりがスイッチの役割 になります。


  • 抱っこの揺れ → お腹の中で揺られていた感覚に近く、安心を呼び覚まします。

  • 優しいトントン → 心臓の鼓動に似た一定のリズムで、無意識に落ち着けます。

  • 子守唄やオルゴールの音 → 単調で心地よい音は脳に「休んでいいよ」という合図になります。


このような働きかけで 脳が「安心した」と感じると、副交感神経が優位 になり、
呼吸や心拍が落ち着き、自然と眠りにつながっていきます。


つまり寝かしつけは「眠らせる」行為ではなく、 安心スイッチを押してあげるサポート
そう考えると、ママの気持ちもずっと楽になりますよ。


  まとめ


赤ちゃんが寝ないのは「寝かしつけが下手だから」ではなく、反射と発達の過程です。
安全に安心感を与える工夫を重ねていけば、必ず眠れる力は育っていきます。


どうか焦らず、「今日はこの方法を試してみた」と自分を褒めてくださいね。
ママの工夫と優しさは、必ず赤ちゃんの心と脳に伝わっていますよ。

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