【第4話】骨盤底筋を柔らかくする温め習慣 〜お産と回復を助ける力〜

こんにちは、助産師歴38年ベテラン助産師ケイコです。
今年もやります!!いいお産の日イベント💕(ゲスト:おたんこ助産師さん)

一昨年の写真


私はこれまでに3000件以上のお産に立ち会い
たくさんのママたちの授乳のお悩みに寄り添ってきました。
また専門家としてTVや新聞で多数出演させていただきました

MCぺこぱさん



今回は骨盤底筋を柔らかくする温め習慣についてお話します


「冷えは血流を悪くする」ことは知られていますが、

実はそれだけではありません。


冷えると筋肉そのものが固くなり、

特に 骨盤底筋や子宮まわりの筋肉 に影響が出やすいんです。


骨盤底筋は「赤ちゃんを支えるハンモック」。



この筋肉が硬くなると、出産がスムーズに進みにくかったり、

産後の回復が遅れることもあります。



  実例


ある妊婦さんは「陣痛がきてもなかなか赤ちゃんが下りてこない」

と苦労されていました。


分娩中に温めたタオルで腰と会陰部を温めてあげると、

筋肉がゆるみ、急に子宮口が柔らかくなってお産が一気に進んだのです。


その後「温めの力で体が開いていくのを感じた」とおっしゃっていました。


筋肉は冷えると収縮して硬くなり、血流も悪化します。
逆に温めることで筋肉がゆるみ、柔らかさを取り戻すのです。

  • 会陰や骨盤底筋が柔らかい → 子宮口が開きやすくなる

  • 腰やお腹の筋肉が柔らかい → 陣痛の痛みが和らぎやすい

  • 産後も血流が整うことで回復が早まり、母乳分泌にもプラス

つまり、温めは「産道を整える」自然なサポートでもあるのです。



  今日からできる温め習慣




就寝前の足湯や腹巻きで、骨盤内を温める


夜は一日の中で最も体温が下がりやすい時間帯。

冷えた血液が骨盤内に流れ込むと、子宮や卵巣の血流が滞りやすくなります。



寝る前に5〜10分の足湯をするだけで、冷えた血液が温め直され

全身がリラックスモードに。腹巻きを重ねると、就寝中も体温を守ってくれます。


「夜の足湯+腹巻き」は、骨盤内に温かい血液を送り届ける最強セットです。


 妊娠後期はお腹・腰を温めて筋肉をゆるめておく



妊娠後期はお腹が大きくなり、腰や骨盤まわりの筋肉に負担がかかります。

冷えで筋肉が硬いままだと、陣痛時に子宮口が開きにくく、お産が長引くことも。


ホットパックやカイロ(低温やけどに注意)、ぬるめのお風呂などで

お腹・腰を温めると、筋肉が柔らかくなり血流もスムーズに。


温めは「お産に向けた体のリハーサル」としても大切なんです。


出産前には会陰マッサージ+温タオルで柔らかさをサポート


会陰(えいん:膣と肛門の間の部分)は赤ちゃんが通る産道の出口。

ここが硬いと裂けやすく、産後の痛みや回復にも影響します。


会陰マッサージはオイルでやさしく行うと血流が促され柔らかさが増します。

さらに温かいタオルで温めると筋肉がほぐれ、マッサージ効果が高まります。


「温めてからマッサージする」ことで、お産の準備がよりスムーズになります。


産後も「冷やさない」ことで回復力を高める

出産後は体が大きなエネルギーを消耗しています。

冷えは血流を妨げ、子宮の回復や悪露の排出を遅らせる原因に。


腹巻きや靴下、温かい飲み物などで「体を冷やさない」工夫を続けると、

子宮の戻りがよくなり、母乳分泌や体力回復にもプラスです。


特に産褥期(出産後6〜8週間)は温め=回復のサポートと心得てください。

骨盤底筋や子宮まわりを温めて柔らかく保つことは、あなたと赤ちゃんにとって大切な準備です。


温かさは「お産を進める力」になり、産後の回復や母乳分泌にもつながります。

小さな温め習慣が、未来のお産をラクにし、赤ちゃんを迎える力になるのです。


次回

第5話は「産後の回復と心の安定に」について。
出産後の体と心を温めるケアの大切さをお伝えします。

 

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