妊娠と喫煙
Share
ベテラン助産師の本村啓子です。
今日は、重要なトピックについてお話ししたいと思います。
それは、「妊娠と喫煙」についてです。
日本ではいまだに煙草を吸っている妊婦もいますが
アメリカでは妊娠中のたばこは非常に厳禁とされています。
喫煙が胎児に及ぼす悪影響が広く知られており
医療機関、保健当局、医療専門家など
多くの関係者が妊娠中のたばこ禁止を強く支持しています。
アメリカでは、妊娠中のたばこについての情報が広く提供され
母親や赤ちゃんの健康を守るために
積極的なキャンペーンやプログラムが行われています。
みなさんも、できるだけ、マタニティ期だけでも減らす方向で考えましょう。
喫煙と妊娠:影響は大きい
喫煙が胎児に及ぼす影響は、現在でも研究が進行中であり
その一部はまだ解明されていない部分もあります
一般的に、喫煙妊婦から生まれた赤ちゃんは
非喫煙妊婦から生まれた赤ちゃんに比べ、出生体重が約200gも軽いとされています
さらに、1日に10本以上たばこを吸う妊婦は
低出生体重児(出生体重が2500g未満の赤ちゃん)を出産し、
早産のリスクが2倍高いとされています
また、1日7時間以上の受動喫煙でも
同様の危険性があることが報告されています
喫煙の影響で、胎児に供給される栄養や酸素が減少することが考えられています。
そして、これが母児のさまざまな健康問題につながる可能性があります。
喫煙と口唇口蓋裂
喫煙が口唇口蓋裂の発生率を最大2倍に増加させることが示されています
この状態は、赤ちゃんの口の発達に関連があり、手術が必要な場合もあります。
喫煙と死産率・乳児死亡率
喫煙する母親から生まれた子どもたちの死産率と乳児死亡率が
約2倍高くなることが報告されています
これは非常に重要で、喫煙が胎児の命に大きな影響を及ぼす可能性があることを示しています。
喫煙と子どもの成長
1日に10本以上たばこを吸う母親から生まれた子どもたちは、
平均身長が1.0㎝低く、読書、数学、一般的な能力においても
非喫煙者の子どもたちに比べて3~5か月遅れていることがある統計が報告されています
このような影響は、将来の発達にも影響を及ぼす可能性があります。
おわりに
喫煙は、妊娠期間において赤ちゃんに大きなリスクをもたらすことが科学的に証明されています。
妊娠中は周囲もたばこを吸わないことが推奨されます
また、身の回りにたばこ煙が充満しないように心掛けましょう。
家族も、別の部屋や、ベランダなどで数など協力してもらいましょう
(※煙草は依存性があるので、急にやめるのは難しいです)
喫煙に関する詳細な情報やサポートが必要な場合は
医療専門家や禁煙プログラムに相談してください
あなたとあなたの赤ちゃんの健康を守るために
たばこを遠ざける選択をしましょう
妊娠期間を穏やかに過ごし、健康的な妊娠と健康な赤ちゃんが誕生することを願っています