妊娠とペット

こんにちは。助産師の本村啓子です。

今回は妊娠初期の感染症について、ペットとの関連性を中心にお話します。


  妊娠中も検査があるとトキプラズマって何?

 

まず、トキソプラズマ症とは何か、知っていますか?

これは、トキソプラズマという寄生虫が原因となる病気です。

一般の人々が感染しても大抵は軽症や無症状で済むのですが、

妊娠中の方が感染すると赤ちゃんにも影響が出ることがあります。

 

例として、流産や早産のリスクが高まったり、赤ちゃんが水頭症や精神運動障害を持つ可能性が考えられます。

 

 

  2. 猫との関連性

 

トキソプラズマは、感染した動物の筋肉や土に存在します。

特に、猫はこのトキソプラズマの宿主として知られており、

感染する原因として、外で捕まえたネズミや虫、生肉を食べることが挙げられます。

 

感染した猫は、オーシストと呼ばれる卵のようなものを便とともに排泄します。

オーシストに触れ、それを口にすることで人間も感染のリスクがあります。

 

 

  3. 実際の対策は?

 

猫を飼っている方、心配になりますよね。しかし、

適切な対策を取れば、感染リスクは大幅に減少します。

  • 肉を食べる際は、しっかりと加熱して食べる。
  • ガーデニングや土いじりの際は手袋を使用し、後は手洗いを徹底する。
  • 猫のトイレ掃除は他の家族にお願いするか、マスクや手袋をして行う。
  • 猫は家の中だけで飼い、加熱済みのフードを与える。

 

トキソプラズマ症は確かに妊婦さんにとって気をつけたい病気の一つですが、

適切な対策を行えば感染リスクは低くなりますので

猫を飼っているからといって過度に心配する必要はありません。

 

不安な場合は、産科や動物病院の専門家と相談しましょう。

  

その他の動物


 

 

    • 犬の排泄物や唾液から感染する犬回虫が存在します。
    • 妊婦が感染すると胎児への影響のリスクが考えられます。
    • 鳥インフルエンザや鳥クリプトコックス症のリスクがあります。
    • 特に家禽や野鳥との接触は避けるよう心がけましょう。
  1. 小動物(ハムスターやフェレットなど)

    • リンパ球性脈絡髄膜炎という病気を引き起こすリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスの感染源となることが知られています。
  2. 爬虫類

    • これらの動物はサルモネラを持っていることが多く、取り扱いには注意が必要です。
  3. 魚や水棲動物

    • 一部の魚や水棲動物はマイコバクテリウムなどの病原体を保持していることがあります。

妊娠中は、これらのペットや生物との接触を最小限にするか

適切な予防対策を講じることが大切です。

 

具体的には、ペットとの接触後は手をきちんと洗う

・ペットの排泄物の処理は他の家族にお願いするなどの対策を行うと良いでしょう。

 

 

 

 

最後に、ペットとの接触による感染症のリスクは低いとされていますが

妊娠中は免疫が低下しているため、できるだけリスクを避けるための上記対策を心がけることをおすすめします。

 

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