モロー反射について

べテラン助産師の本村啓子です


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今回は赤ちゃんに備わっている原始反射についてお話します

 


  モロー反射(抱きつき反射)



赤ちゃんが抱きつくような姿勢をとり、保護を求める本能的な反応です。


乳児が落下や他の脅威に対して自己防衛のために身を守るための反射的な動作です。

これは、乳児の生存を守るための本能的な反応として機能します。


具体的には、乳児が突然の刺激や落下の危険を感じると

両腕と手を広げて開き、その後抱き寄せるような動作を行います。



この反射は通常、生後2〜4か月の間に最も顕著に観察され、

その後徐々に弱まっていきます。




このモロー反射の特徴的な動作は、人間の乳児だけでなく

他の哺乳類や霊長類にも見られます。


例えば、サルは、木から落ちたり他の危険にさらされることがあります。


そこで、サルの幼獣もモロー反射を利用して、自らの身を守ります。



モロー反射は、通常、乳児の神経発達の一部として観察される正常な反射です。


しかし、モロー反射が異常な形で残存したり、異常に強い場合は、

特定の病気や障害の兆候として考えられることがあります。



  吸啜反射


 口に何かが触れると吸う動作をする反射です。

これは乳児が授乳するための生存本能であり、

母乳やミルクを摂取するための準備をする反応です。


この反射は、乳首や哺乳瓶の乳首を口に入れると、

口の周りの筋肉が動き、吸啜の動作が始まります。


吸啜反射は生まれたばかりの赤ちゃんにとって重要であり、

栄養摂取や成長に不可欠な役割を果たします。


吸啜反射は、赤ちゃんの生後数か月から数年間続きますが、

成長とともに徐々に弱まります。


吸啜反射は乳幼児期の正常な発達の一部であり、

口腔や咽頭の筋肉の発達と密接に関連しています。




  歩行反射



 乳児が支えられた状態で足の裏を地面に触れると歩くような動作をする反射です。


この反射は乳児の歩行能力を発達させるための準備をするものであり、

実際の歩行とは異なります。


この反射は通常、生後数か月の間に観察され、

一般的には生後2〜3か月の間にピークを迎えます。


歩行反射が生後数か月で観察されるのは、

赤ちゃんの脳と神経系の発達がまだ未熟であるためです。


しかし、この反射は成長とともに消失し、

通常は生後数か月から1年以内になくなります。


歩行反射は、乳児期の神経系の発達を評価するための

一つの指標として使われることがあります。


反射が正常に発達していることは、神経系が健康であることを示す重要な要素の一つです。


  バビンスキー反射


バビンスキー反射は、足裏の外側から内側に向けて筋肉を刺激すると、足の指が広がる反射です。


この反射は通常、成人では見られませんが、乳児期には一時的に存在します。


赤ちゃんの足裏を刺激すると、足の指が開く動きを示すことがあります。


この反射が生後数か月の間に観察されるのは、乳児の神経系がまだ未熟であるためです。


神経系の発達が進むにつれて、この反射は段階的に消失していきます。


通常、成長するにつれてこの反射がなくなり、1歳頃には消失していることが一般的です。





  把握反射





把握反射は、赤ちゃんが手のひらに触れられると、

手が自動的に握りこむ反射です。


この反射の理由は、赤ちゃんが生まれたばかりの頃に、

自分自身を支える力がないために、

周囲の物体や人によって手を支えられる必要があるからです。


そのため、手が握られる刺激に対して、自動的に握ることで、

赤ちゃんが安定感を感じることができます。

この反射は、乳児期の筋肉や神経系の発達過程の一部であり、

通常は生後数か月から1歳頃までに見られます。


成長とともに、赤ちゃんの手の筋肉が発達し、自発的な手の動きが可能になると、

この反射は段階的に消失していきます。



  まとめ

赤ちゃんは生きていくためにいろんな原始反射が備わっているのですね。


生命の神秘ですね。


パートナーと出会え、赤ちゃんと出会えた奇跡をかみしめながら

素敵な毎日を過ごしてくださいね。


今日も楽しい1日を!