取りすぎると危険な脂溶性ビタミン

ベテラン助産師の本村啓子です。

 

今回はビタミンについて説明します。

 

取りすぎると危険な脂溶性ビタミンについて説明します。

 

脂溶性ビタミンは、体内での蓄積や利用に脂肪を必要とします。

 

水溶性ビタミンと異なり、体内に長期間貯蔵されるため

過剰摂取すると体内に蓄積されて健康問題を引き起こすリスクがあります。

 

脂溶性ビタミンには以下のものがあります

 

ビタミンA

 

ビタミンD

 

ビタミンE

 

 

ビタミンK

 

今回はこの中のビタミンA,Kについてお話します。

ビタミンA

 




ビタミンAは赤ちゃんの視力や皮膚の健康に関与します。


 

  ビタミンAの役割

 

 

胎児の発育

ビタミンAは胎児の成長と発育に不可欠であり
特に中枢神経系の形成に重要です。

 

視覚の発達

 

ビタミンAは視覚の発達にも重要で、視細胞の形成に寄与します。

 

免疫機能

 

ビタミンAは免疫機能をサポートし、感染症に対する抵抗力を高める役割があります。

 

  妊婦のビタミンAの必要性

 

 

妊婦はビタミンAの必要性が通常よりも高まります。

胎児の発育に必要な量のビタミンAが必要です。

しかし、ビタミンAの摂取に関しては、過剰摂取に注意が必要です。
過剰なビタミンAの摂取は胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。

  ビタミンAの不足と過剰摂取



ビタミンAの不足は、胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があります。
ビタミンA欠乏症は、視力の低下、免疫機能の低下などを引き起こすことがあります。

一方、過剰なビタミンAの摂取は胎児に有害であり、先天異常や発育遅延などのリスクを増加させることがあります。

食事では起きにくいのですが特にビタミンAサプリメントの過剰摂取には注意が必要です。

ビタミンAは妊娠中に重要な栄養素であり、
適切な摂取は胎児の発育と健康に不可欠ですが
必要量は1日2000 IU(600μg)と言われています。

以下にビタミンAを含む食品とその量の例を示します

 

 

 

 

レバー:非常にビタミンAが豊富ですが、妊婦には過剰摂取を避けるため

週に一度程度の少量(約30g)に制限するのが良いでしょう。

にんじん:1本の中サイズのにんじん(約61g)には約10191 IUの

ビタミンAが含まれています。

 

サツマイモ:1中サイズのサツマイモ(約114g)には約18443 IUの

ビタミンAが含まれています。

 

ほうれん草:1カップ(約30g)の生ほうれん草には約2813 IUの

ビタミンAが含まれています。

 

カボチャ:1カップ(約245g)のカボチャには約8513 IUの

ビタミンAが含まれています。

 

バランスの取れた食事を心掛け、過剰摂取を避けるために
サプリメントの使用には医師やと相談することが重要です。

 

  ビタミンAの摂取源

ビタミンAは基本的には食事から摂取します。

主な食品源には、肝臓、卵、乳製品、魚、赤肉、にんじん、ほうれん草、かぼちゃなどが含まれます。
妊婦はバランスの取れた食事を通じてビタミンAを摂取することが重要です。

レバーは特にビタミンAが豊富で、100gあたり約31700 IU(約9510μg RAE)のビタミンAを含んでいます。
ただし、妊婦はビタミンAの過剰摂取を避けるため、レバーの摂取量を週に一度30g程度に制限すべきです。

 

 

ビタミンK

 




ビタミンKは血液凝固に必要です。


妊娠中のビタミンKの必要性は重要ですが、他のビタミンと比較して相対的に少ないビタミンの一つです。以下は、妊婦のビタミンKに関する詳細な情報です。


 

  ビタミンKの役割

 


血液凝固

 

ビタミンKは血液凝固に不可欠な栄養素です。
凝血因子の活性化に関与し、出血を止める役割を果たします。

 

骨の健康

ビタミンKは骨の健康にも寄与し、骨の正確な代謝をサポートします。

 

  妊婦のビタミンKの必要性

 



妊婦のビタミンKの必要性は通常の食事から摂取するだけで満たされることが一般的です。

ビタミンKは体内で腸内細菌からも一部合成されます。

妊娠中にビタミンKの特別な増加は必要ありませんが、
適切なビタミンKの摂取を確保することは大切です。

 

  ビタミンKの摂取源

 



ビタミンKは
緑黄色野菜(ほうれん草、ケール、レタス)
ブロッコリー、カラフルな野菜(ニンジン、トマト)
肝臓、卵、肉、魚などの食品に含まれています。
バランスの取れた食事計画を通じて、ビタミンKを摂取することができます。

ビタミンKを摂取するために食品をどれくらい食べるかの参考量を記載します。

 

女性は1日あたり約90マイクログラムです。

 

ただし、妊娠中や授乳中の女性は、医師の指示に従うことが重要です。

以下はビタミンKを豊富に含む食品の例と推奨される量です

 

 

 

ほうれん草:1カップ(約30g)の生ほうれん草には約145マイクログラムのビタミンKが含まれています。

 

ケール:1カップ(約67g)の生ケールには約113マイクログラムのビタミンKが含まれています。

 

レタス:1カップ(約47g)の生レタスには約62マイクログラムのビタミンKが含まれています。

 

ブロッコリー:1カップ(約91g)の茹でたブロッコリーには約220マイクログラムのビタミンKが含まれています。

 

ニンジン:1中サイズ(約61g)のニンジンには約8マイクログラムのビタミンKが含まれています。

 

トマト:1中サイズ(約123g)のトマトには約14マイクログラムのビタミンKが含まれています。

 

肝臓:牛肝臓100gには約6マイクログラムのビタミンKが含まれています。

 

:1個の大きな卵(約50g)には約0.3マイクログラムのビタミンKが含まれています。

:一般的な牛肉や鶏肉にはビタミンKが少なく、その量は非常に限られています。

 

:一部の魚介類にはビタミンKが含まれていますが、含有量は比較的低いです。

 

 

 

これらの食品を組み合わせて食べることで

ビタミンKの推奨摂取量を達成することが可能です。

 

しかし、特定の医療条件や薬剤(特に抗凝固剤)の使用により、

ビタミンKの摂取に制限が必要な場合があるため、

摂取に関しては医師の指導を仰ぐことが重要です。

   ビタミンKの不足と過剰摂取

 



ビタミンKの不足は、血液凝固の問題を引き起こす可能性があります。
新生児においてもビタミンKの不足は凝固異常のリスクと関連しています
。
通常の食事からのビタミンKの過剰摂取は一般的に問題とされていませんが、過度なサプリメントの使用には注意が必要です。

妊娠中のビタミンKの必要性は、通常の食事から摂取することで満たされる傾向があります。
バランスの取れた食事を摂り、ビタミンKの不足や過剰摂取を避けるために
医師と相談することが大切です。
特に出産後、新生児へのビタミンKの投与が一般的に行われます。

  まとめ

 


現代では農業方法や土壌の栄養素の減少により、
野菜の栄養価が過去と比較して低下しているという指摘があります。
肥料の使用や選択育種により生産性は向上したものの、これが栄養素の密度に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

このため、多様な食品から栄養を摂取することが一層重要になっています。
健康のためには食事は大きなウエイトを占めています。

楽しみながら、自分や家族にとっていい食生活を
習慣付けていけるよう、方の力を抜きながらも
少しだけ頑張ってみてください。

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