こんにちは、助産師歴38年、本村啓子です。
これまでに3000件以上のお産に立ち会い、たくさんのママたちの授乳のお悩みに寄り添ってきました
専門家としてTVで出させていただきました。MC:ぺこぱさん
骨盤は「赤ちゃんの通り道」
お産がスムーズに進むかどうか。
そのカギを握るのが「骨盤」です。
骨盤は赤ちゃんが通るための産道の入り口であり、姿勢や筋肉の使い方
生活習慣によってその状態が大きく左右されます。
骨盤が傾いていたり、動きが悪くなっていたりすると、
赤ちゃんがうまく回れず、回旋異常や分娩時間の延長、吸引や帝王切開のリスクが高まることもあります。
骨盤を整えるとはどういうことか
「骨盤を整える」とは、ただ締めたりゆるめたりするだけではありません。
以下の3つを意識することが大切です。
-
骨盤を立てる
-
左右のバランスをとる
-
適度に動かしてやわらかさを保つ
-
1. 日常の「座り方」で骨盤が立つ
骨盤を立てるとは、「坐骨がしっかりと床(または椅子)を押している状態」のことです。
・椅子では、坐骨を意識して腰を立てる
・足の裏はしっかり床につける
・ソファで深く腰をかけるのは避ける
・あぐらや正座がしやすい人は、坐骨が感じやすくおすすめ
坐骨の下に薄くたたんだバスタオルを入れると自然に骨盤が立ちます。
2. 朝と夜に「骨盤ゆらしストレッチ」
毎日1分でもいいので、骨盤まわりをゆるめる時間を取りましょう。
・あぐらで左右にお尻をゆっくり揺らす
・四つん這いでお尻を右左に振る
・テニスボールやストレッチポールを使い、お尻や骨盤周囲を緩める
骨盤の可動性が上がることで、赤ちゃんの回旋を助けることにつながります。
3. 骨盤ベルトは「巻く位置」が大切
骨盤ベルトを正しく使うには、以下の点に注意が必要です。
・恥骨の少し上〜お尻にかけて斜めに巻く
・お腹の真ん中やウエストに巻かない
・歩いたり立ったりするときに短時間だけ使用する
骨盤ベルトは、締めることが目的ではなく、骨盤の動きをサポートする補助具として使うのが正解です。
4. 歩き方を見直すと骨盤が安定する
歩くときに意識したいポイントは次の3つです。
・足を前に出すより、お尻で後ろに蹴る意識を持つ
・膝を突っ張らず、股関節を大きく動かす
・足裏全体で着地する
腰を反らせて歩くと骨盤が前傾し、赤ちゃんの位置もズレやすくなります。
5. 寝るときの姿勢も骨盤に影響する
・横向きで寝るときは、膝の間にクッションを挟む
・片側ばかりに寝ることを避け、左右交互にする
・背中を丸めすぎず、背骨の自然なカーブを保つ
このような小さな工夫が、赤ちゃんの頭の入り方や回旋のしやすさに関わります。
切迫早産の予防にも骨盤ケアは有効
子宮が収縮しやすくなる背景には、骨盤の歪みや下半身の血流不足が関係していることがあります。
以下の習慣は、切迫早産の予防につながります。
・足首・足先を冷やさない
・長時間同じ姿勢でいない
・便秘を防ぐ(いきむことで骨盤底に負担がかかる)
・股関節まわりをやさしく動かす
骨盤の血流を保ち、下半身の緊張をやわらげることが、
子宮への酸素供給とホルモンのバランスにも好影響を与えます。
骨盤は、赤ちゃんとママの共同作業の「舞台」
赤ちゃんは、ママの骨盤の形や筋肉の働きに合わせて、回旋しながら出てきます。
つまり、ママが日々どんな姿勢で過ごしているか、どんな筋肉を使っているかが、
赤ちゃんのお産のしやすさに直接つながっています。
今日からできる5つのこと(まとめ)
-
椅子に座るときは坐骨を意識
-
毎日1分、お尻ゆらしストレッチ
-
骨盤ベルトは恥骨ラインに斜めに巻く
-
お尻から脚を動かす歩き方をする
-
膝の間にクッションを挟んで寝る
「ちょっとした体の使い方」で、出産は大きく変わります。
骨盤を味方につけることは、赤ちゃんへのやさしい準備でもあります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
助産師があなたに贈るMonnaでは…
公式LINEで、ママだけではなく家族全員が健康であるような
役立つ情報をお伝えしています。
ひとりで抱え込まず、お気軽にご相談ください🌿
👇ご登録はこちらから