ベテラン助産師の本村啓子です
日本では、腰痛に悩む人は非常に多く、
成人の約80%が一生のうちに一度は腰痛を経験するとされています。
産後の腰痛は、一般的な腰痛とはいくつか異なる特徴があります。
一般的な腰痛の原因
一般的な腰痛の原因はさまざまですが、以下のような要因が挙げられます:
筋肉の緊張やストレス
長時間の姿勢維持や不適切な姿勢、重いものの持ち上げなどが、
腰の筋肉を緊張させ、疲労や痛みを引き起こすことがあります。
椎間板の変性
椎間板の劣化や変性が進むと、腰椎の安定性が低下し、腰痛を引き起こすことがあります。
神経の圧迫
腰椎の間にある神経が圧迫されることで、
坐骨神経痛や脊柱管狭窄症などが起こり、腰痛を引き起こすことがあります。
炎症や怪我
腰部の筋肉や靭帯の炎症、捻挫、ひずみなどが
急性の腰痛の原因となることがあります。
運動不足や過度の運動
筋力が低下したり、筋肉や靭帯に負担がかかりすぎたりすることで
腰に負担がかかり、腰痛が引き起こされることがあります。
産後の腰痛の理由
ホルモンバランスの変化
出産後、体内のホルモンバランスが大きく変化します。
特に妊娠中に緩んだ関節や靭帯が元の状態に戻る際に、
腰や骨盤周辺の不安定さが増すことがあり、その結果、腰痛が生じることがあります。
妊娠出産時の腰部の負担の増加
妊娠が進むと、胎児や子宮などの重さによって腹部が大きくなり
それに伴って腰に負担がかかります。
特に後期になると、腰椎にかかる圧力が増加し、腰痛のリスクが高まります
妊娠中は腹部の重さを支えるために、体重のバランスを保つために姿勢が変化します。
特に腰部が前に突き出すような姿勢や、背中を丸めるような姿勢が取りやすくなります。
これによって腰に負担がかかり、腰痛が引き起こされることがあります。
また、陣痛や分娩に伴う体位や、力んだりすることで、腰部の筋肉や靭帯に負担がかかります。
産後の姿勢の変化
出産後、育児や授乳などの日常生活の中での姿勢が変化します。
特に授乳中の姿勢は、おくつ替えなども含めて
前傾姿勢が多く腰や背中に負担がかかりやすく、それが腰痛の原因となることがあります。
また育児は赤ちゃんを抱いての姿勢が多く、腰に負担がかかります。
筋力の低下
妊娠中は、ホルモンの変化で腰や骨盤周辺の筋肉が緩みやすくなります。
出産後も、産後の疲れをとるために数週間はこまめに寝ていることが多く
筋力が低下し、腰痛が発生しやすくなります。
産後腰痛の改善方法
産後の腰痛に対する対処法は、一般的な腰痛と異なる場合があります。
産後の腰痛には、産後体操や骨盤底筋トレーニングなど、出産に関連した筋肉や関節のトレーニングが効果的です。
産後体操
出産によって骨盤底筋が弱ってしまうことがあります。
骨盤底筋は尿漏れや腰痛を防ぐために重要な役割を果たしています。
骨盤底筋トレーニングは、骨盤底筋を強化し、正常な機能を回復させるための重要な運動です。
床に仰向けになり、膝を曲げた状態で骨盤を持ち上げるなどの動作があります。
姿勢の改善
椅子に座る際には、背中をまっすぐに伸ばし、背もたれにしっかりと背中をつけるようにしましょう。
腰椎と背骨のカーブを保つことが重要です。
また、足は床にしっかりとつけ、膝を90度に曲げて座るようにします。
授乳中は、背もたれのある椅子やクッションを使って背中をしっかりと支え、
胸を上げるようにして授乳を行います。
赤ちゃんを抱っこする際には、背中を丸めたり、片側に負荷をかけすぎないように気をつけます。
立つ際には、両足を肩幅程度に開き、膝を軽く曲げてバランスを保ちます。
背中をまっすぐに伸ばし、肩甲骨を引き寄せて胸を開くようにします。
頭部は天井を向いたままにし、顎を引いて顔を水平に保ちます。
赤ちゃんとの育児中は、常に姿勢に気を配りましょう。
ベビーカーや抱っこ紐を使う際には、背中を丸めずに姿勢を保ち、腰に負担がかからないようにします。
床に座る際には、クッションや座布団を使って背中を支えると良いでしょう。
マッサージやストレッチ
マッサージやストレッチは、腰痛を和らげるために効果的な方法です。
腰や背中の筋肉をほぐすことで、血液循環が促進され、筋肉の緊張が緩和されます。
マッサージを行う際には、指圧や揉みほぐし、振動などの手技を使って、痛みやコリをほぐします。
特に腰の両側や腰の上部、肩甲骨周辺など、痛みを感じる部位を重点的にマッサージします。
腰痛を軽減するためには、腰や背中の筋肉を柔軟にするストレッチが有効です。
以下に、簡単な腰痛対策のストレッチ方法を示します。
腰を丸めるストレッチ
床に座り、両手を前に伸ばして腰を丸めます。背中を丸めるようにして、腰の筋肉を伸ばします。
腰を反らすストレッチ
床に仰向けに寝て、両手を頭の後ろに組みます。次に、両膝を曲げた状態で両手をつかみ、腰を反らせます。
仰向けの膝胸抱えストレッチ
床に仰向けに寝て、両膝を曲げます。次に両手を使って両膝を胸に近づけ、背中の筋肉を伸ばします。
生活習慣の見直し
腰痛の生活習慣の見直しは、腰痛の緩和や改善に効果的です。以下に、具体的な生活習慣の見直し方法をいくつか紹介します:
健康的な食事
バランスの良い食事を心がけましょう。野菜や果物、良質なタンパク質、
健康な脂肪を含む食品を摂取し、栄養バランスを保ちます
また、カルシウムやビタミンDを含む食品を積極的に摂取し、骨の健康を保つことも重要です。
適度な運動
日常的な運動を取り入れましょう。ウォーキングや水泳などの有酸素運動や、
ヨガやピラティスなどのストレッチや筋力トレーニングを行うことで、腰の筋肉を強化し、姿勢を改善します。
ただし、過度な運動は逆効果になることもあるため、適度な運動量を心がけます。
ストレス管理
ストレスや緊張は腰痛を悪化させる要因の一つです。
ストレスを溜めないようにするために、リラックスする時間を持つことや、ストレス発散法を活用することが重要です。
マインドフルネスや深呼吸、ストレッチなどのリラックス法を取り入れることで、心身のリラックスを促します。
良質な睡眠
充分な睡眠をとることも腰痛改善に役立ちます。
寝具や寝姿勢を工夫し、快適な睡眠環境を整えることで、腰への負担を軽減します。
また、就寝前にリラックスする習慣を取り入れることで、質の高い睡眠を促進します。
まとめ
産後の腰痛は、特に産後2カ月までに起きやすいです。
それは産後の骨盤が出産に伴うホルモンのリラキシンの影響が大きいからです。
リラキシンは靭帯を緩和し、関節や骨盤の周囲の組織を柔軟化させます。
これにより、子宮や骨盤の拡大に対応しやすくなり、分娩時に子宮口が開きやすくなる効果があるからです。
ですので2カ月間を産後体操や、その他の生活改善を行うことで予防することもできます。
心掛けてやってみてください。
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