妊娠中の腹痛
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助産師の本村啓子です。
妊娠中のママたちが感じる下腹部の痛みについてのお話をします。
その痛みは「チクチクする」「ギューっとする」「生理痛のよう」とさまざまな形で現れます。
特に、出血が伴わない場合、妊娠に大きな影響はないと考えられますが、時に受診が必要な場合もあります。
出血がない下腹部痛の原因とは?
ホルモンバランスの変化:
妊娠中、体内のホルモンバランスが変わります。
特に、プロゲステロンや黄体ホルモンの影響で消化管の運動が抑制され、
便秘や下痢を引き起こすことがあります。これが腹痛の原因となることもあります。
子宮の成長:
赤ちゃんが成長するにつれ、子宮も拡大します。
この時、子宮の外側にある円靱帯が伸びて、痛みを引き起こすことがあります。
これは、円靱帯症候群や牽引痛として知られています。
かなりの割合で起こります。
胎動:
赤ちゃんが大きくなり、おなかの中で元気に動き回ると、
その動きが下腹部痛として感じられることもあります。
特に、赤ちゃんが恥骨やお腹の辺りを蹴ったとき、靱帯が引っ張られて痛みを感じることもあります。
胃腸炎:
感染性胃腸炎や、食あたりなども腹痛の原因になります。
出血がない下腹部痛の対処法
安静に過ごす:
痛みを感じたら、まずは落ち着く場所で休むことが大切。
温かいお茶を飲みながらリラックスして過ごすと、痛みも和らぐことが期待できます。
円靭帯の痛みの場合も安静とリラックスで治る場合が多いです。
食生活の見直し:
便秘が痛みの原因の場合、食物繊維を十分に摂ることで改善されることもあります。
不溶性食物繊維や水溶性食物繊維をバランスよく摂ることを心がけましょう。
また水分を多めにとりましょう。
性行為の自粛:
痛みを感じる場合、一時的に性行為を控えましょう。
注意が必要な場合
痛みが激しい、冷や汗、嘔吐、発熱などの症状が現れた場合や、
腹痛が定期的に起こる場合は、速やかに医師の診察を受けることをおすすめします。
また、胃腸炎や虫垂炎などの病気が原因となることもあるため
急な症状の変化には十分注意が必要です。
まとめ
妊娠中の腹痛は、大抵は安静で治ることが多いです。
しかし、症状が強い場合や異常を感じる場合は、迷わず医師に相談することをおすすめします。
安心・安全な妊娠生活を過ごすために、日々の体調管理を怠らないよう心がけましょう。
皆さんの妊娠が順調に経過しますように。