妊娠中のカルシュウムの大切さ
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助産師の本村啓子です。
カルシウムは赤ちゃんの骨や歯の発育に重要です。
しかも、カルシウムが足りないと妊娠中はママの骨から、赤ちゃんは必要なカルシュウムを補充します。
カルシウムは、体内で非常に重要なミネラルであり、健康維持に欠かせない役割を果たします。
今回は、カルシウムに関してのお話をします。
カルシウムの役割
骨と歯の形成と維持: カルシウムは主に骨と歯の形成と維持に必要です。
骨は体内のカルシウムの約99%を保持しており、体内のカルシウムの貯蔵庫として機能します。
神経伝達
カルシウムは神経細胞の信号伝達に不可欠です。
神経細胞はカルシウムイオンの流入と流出を制御して、情報伝達を行います。
筋肉収縮
カルシウムは筋肉の収縮にも関与します。筋肉はカルシウムを必要としており、
カルシウムイオンの存在下で収縮が起こります。
血液凝固
カルシウムは血液凝固の過程に関与し、出血を防ぐ役割を果たします。
出産は出血を伴うこともありますので、普段からカルシウムはとるようにしましょう。
カルシウムの摂取と吸収
カルシウムは食事から摂取されます。
主な食品源には乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)
緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー、カラーチャードなど)
魚(サケ、さんま)、堅果(アーモンド、くるみ)などが含まれます。
カルシウムの吸収にはビタミンDが不可欠です。
ビタミンDは腸管からのカルシウム吸収を促進し、カルシウムの血中濃度を調節します。
ビタミンDについては後述します。
カルシウムの必要量
カルシウムの必要量は年齢、性別、妊娠や授乳の状態によって異なります。
一般的な推奨量は、成人に対して1日あたり約1000〜1300ミリグラムです。
妊娠中や授乳中の女性は、特にカルシウム摂取にに注意を払う必要があります。
カルシウムの不足と過剰摂取
カルシウムの不足は、骨密度の低下、骨折のリスクの増加、筋肉の痙攣などの健康問題を引き起こす可能性があります。
これは骨粗鬆症などの疾患の原因となります。
過剰なカルシウム摂取も問題となり、腎臓結石のリスクなどが増加する可能性があります。
カルシウムサプリメント
カルシウムのサプリメントは、食事からのカルシウム摂取が不足している場合や
特定の健康状態(骨粗鬆症予防など)に対する治療目的で使用されることがあります。
しかし、サプリメントの使用には医師や栄養士の指導が必要です。
カルシウムは健康に欠かせない栄養素であり、骨や歯の健康、神経伝達、筋肉収縮、血液凝固など
多くの生体機能に影響を与えます。
バランスの取れた食事や必要に応じたサプリメントを摂取し、カルシウムの適切な摂取を確保することが大事です。
摂取量の目安
妊娠中のカルシウムの推奨摂取量は国や地域によって異なる場合がありますが、
一般的には1日あたり約600mgが推奨されています。
カルシウムが豊富な食品とそのカルシウム含有量を以下に示します
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乳製品:
- 牛乳:1カップ(約240ml)は約300mg
- ヨーグルト:1カップ(約245g)は約450mg
- チーズ:硬質チーズ(チェダーなど)の30gは約200mg
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葉物野菜:
- ケール:1カップ(約67g)の生のケールは約100mg
- ブロッコリー:1カップ(約91g)の生のブロッコリーは約43mg
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魚介類:
- 缶詰のサーディン(骨付き):約3オンス(約85g)は約325mg
- 缶詰のサーモン(骨付き):約3オンス(約85g)は約180mg
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強化食品:
- カルシウム強化豆乳やアーモンドミルク:1カップ(約240ml)は約300mg
これらの食品をバランス良く組み合わせることで、妊娠中のカルシウムの必要量を満たすことができます。
ただし、過剰なカルシウム摂取は健康上の問題を引き起こす可能性があるため摂取量の管理には注意が必要です。
ビタミンD
また、カルシウムの吸収を助けるためにはビタミンDを十分に摂取することも重要です。
ビタミンDは、主に以下の方法で摂取することができます
日光による合成
皮膚は日光(特に紫外線B)にさらされることによって、ビタミンDを自然に合成します。
適度な日光浴が重要ですが、日焼けや皮膚がんのリスクを避けるためには
適切な日焼け止めの使用や時間帯の選択が重要です。
食品からの摂取
ビタミンDは、特定の食品にも含まれています。
これには、
脂肪の多い魚(サーモン、マグロ、サバなど)
魚介類(エビなど)
ビタミンDで強化された食品(一部の乳製品、オレンジジュース、シリアル類)
卵黄、ビーフレバーなどがあります。
サプリメント
日光や食品だけでは十分なビタミンDを摂取できない場合、サプリメントを利用することもできます。
ただし、サプリメントを使用する際には、適切な量を摂取することが重要です。
過剰摂取は健康問題を引き起こす可能性があるため、医師の指導を受けることが必要です。
バランスの良い食事とストレスの少ない生活を心掛けて
楽しいマタニティライフを送ってくださいね^^