とるべき葉酸と鉄分について
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助産師の本村啓子です
今回は葉酸と鉄分についてお話します。
葉酸
葉酸は神経管異常や先天性異常を予防するために非常に重要です。
葉酸は緑黄色野菜、穀物、豆類などに多く含まれています。
通常の食事に加えて、妊娠初期から葉酸サプリメントを摂ることが
勧められています。
妊娠前の女性
妊娠を計画している女性は、妊娠前から葉酸の摂取を始めることが大切です。
通常、妊娠前の女性には、1日あたり約400マイクログラム(0.4ミリグラム)
の葉酸が必要とされています。
妊娠初期の女性
妊娠初期(妊娠12週未満)は胎児の神経管の発育が特に重要な時期です。
食事からの葉酸摂取
葉酸はビタミンB群の一つで、特に妊娠初期に非常に重要な栄養素です
正しい葉酸摂取は胎児の神経管の正常な発達をサポートし
先天性神経管障害のリスクを低減する役割を果たします。
以下に、食事からの葉酸摂取に関する詳細な情報を提供します。
1. 葉酸の摂取量:
- 妊娠初期の葉酸の推奨摂取量は通常400〜800マイクログラム(μg)/日です。これは、胎児の神経管の形成が行われる段階に重要な栄養素です。
2. 葉酸を多く含む食品
食事からの葉酸摂取
- 葉酸は食事からも摂取できます。
- 葉緑野菜、穀物、豆類、レバーなどに豊富に含まれています。
- バランスの取れた食事を摂りながら、葉酸サプリメントを補完として検討することができます。
- 葉緑野菜: ほうれん草、ケール、レタス、ブロッコリー、アスパラガスなどの葉緑野菜には葉酸が豊富に含まれています。
- 豆類: レンズ豆、ひよこ豆、大豆などの豆類にも葉酸が含まれています。
- 穀物: いくつかの穀物製品(シリアル、パン、米)は葉酸が添加されており、食事から容易に摂取できます。
- レバー: レバーには葉酸が多く含まれていますが、過剰摂取に注意が必要です。
3. 食事計画のアイデア
- 朝食に葉酸強化のシリアルを摂る。
- サラダやスープに葉緑野菜を多く含める。
- 豆類を料理に取り入れる(ヒヨコ豆のハムス、レンズ豆のスープなど)。
- 鶏肉や魚と一緒に野菜を摂る。
4. 葉酸の注意点:
- 高温調理や長時間の加熱は葉酸を壊すことがあるため、できるだけ生の状態で食べることが望ましいです。
- アルコールや一部の薬物は葉酸の吸収を妨げるため、妊娠中は控えることが大切です。
妊娠中の葉酸摂取は非常に重要であり
健康な食事計画を通じて必要な量を摂りましょう
妊娠を計画している場合にも、妊娠前から葉酸を適切に摂取することが胎児の健康に良い影響を与えることがわかっています。
葉酸サプリメント
葉酸サプリメントは、葉酸というビタミンB群の一つを補給するために使用される栄養補助食品です。
葉酸は細胞分裂やDNA合成に関与し、特に妊娠初期には胎児の神経管の正常な発達をサポートするために重要です。
1. 葉酸サプリメントの目的:
- 妊娠中: 妊娠初期には葉酸サプリメントがよく利用されます。
- 葉酸は神経管の正常な発達をサポートし、神経管障害(脊髄裂孔など)のリスクを低減する役割があります。
- 妊娠前: 妊娠を計画中の女性も、妊娠前から葉酸サプリメントを摂取することが推奨されます。
2. 葉酸サプリメントの種類
(単独葉酸サプリメント)純粋な葉酸を提供するサプリメント。
(マルチビタミン・マルチミネラルサプリメント)
他のビタミンやミネラルと一緒に葉酸を提供するもの
3. 葉酸サプリメントの摂取タイミングと量:
- 妊娠初期から妊娠12週間までの期間が神経管の発達に最も影響を与える時期です。
- 葉酸サプリメントは妊娠計画が始まる前から摂取し、妊娠初期に特に重要です。
- 通常、妊娠中には1日400〜800マイクログラム(μg)の葉酸を摂取することが推奨されます。医師や助産師のアドバイスに従うことが重要です。
4. 葉酸サプリメントの注意点
- 葉酸サプリメントは一般に安全ですが、過剰摂取には注意が必要です。
- 大量摂取は副作用を引き起こす可能性があるため、推奨された摂取量を守ることが大切です。
- サプリメントを摂る際には、医師や助産師と相談しましょう
葉酸サプリメントは、妊娠初期の神経管の発達をサポートするために非常に重要です。
妊娠を計画している場合や妊娠中の女性は、
適切に葉酸を摂取し、健康な妊娠を促進しましょう。
鉄分
妊娠中は血液容量が増加し、鉄分の需要も高まります。
肉、魚、豆類、穀物、緑黄色野菜などから十分な鉄分を摂ることが大切です。
また、ビタミンCを含む食品と一緒に摂ると、鉄の吸収が向上します。 鉄分は、体内で重要な役割を果たす栄養素であり、特に血液中のヘモグロビン(赤血球内の酸素運搬を担う蛋白質)の一部として重要です。
以下に、鉄分について詳しく説明します。
鉄分の役割
鉄分は酸素を運ぶためのヘモグロビンとミオグロビン(筋肉内の酸素貯蔵)の構成要素として不可欠です。
鉄分を含むヘモグロビンは、肺から酸素を取り込み、全身に送り届ける役割を果たします。
鉄分は細胞の代謝プロセスやエネルギー生産にも関与します。
また、免疫機能の正常な機能にも必要です。
鉄分の種類
鉄分にはヘム鉄(ヘモグロビンやミオグロビンに含まれるもの)と非ヘム鉄(植物性食品や動物性食品の一部に含まれるもの)の2つの主要な形態があります。
ヘム鉄は動物性食品からの吸収が高く、非ヘム鉄は植物性食品からの吸収が低い傾向があります。
鉄分の吸収
鉄分の吸収は複雑で、吸収を促進または妨げる要因が存在します。
例えば、ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収が高く、
ビタミンCを含む食品と一緒に摂ることで吸収が向上します。
吸収を妨げる要因としては、カルシウム、コーヒー、紅茶などがあります。
これらの食品は鉄分の吸収を抑える可能性があります。
4. 鉄分の不足と過剰摂取: 鉄分の不足は貧血(赤血球不足)や倦怠感、免疫機能の低下などの健康問題を引き起こす可能性があります。
特に妊娠中や生理中の女性、成長期の子供、ベジタリアンやビーガンの人々は
鉄分に注意を払う必要があります。
一方、鉄分の過剰摂取は鉄中毒を引き起こす可能性があり
体内に鉄が蓄積することで健康リスクを増加させることがあります。
鉄分の食品源
ヘム鉄の豊富な食品には赤身の肉(牛肉、豚肉、羊肉)
鶏肉、魚介類が含まれます。
非ヘム鉄の食品源には穀物、豆類、ほうれん草、アーモンド、レンズ豆、豆腐などが含まれます。
鉄分は健康に不可欠な栄養素であり、適切な摂取が重要です。
個人の鉄分の必要量は年齢、性別、妊娠や授乳の状況によって異なります。
妊娠中には特に鉄が必要です。これは以下のような理由になります。
血液量の増加
妊娠中、母体の血液量が増加します。
これは胎児と胎盤に酸素や栄養を供給する必要があるためです。
増加した血液量をサポートするためには、十分な鉄が必要です。
胎児の成長
胎児は妊娠中に急速に成長し、骨、筋肉、臓器の形成に鉄が必要です。特に脳や中枢神経系の発達にも鉄が関与します。
妊娠中の貧血の予防
妊娠中に鉄不足が起こると、妊娠性貧血と呼ばれる状態が発生するリスクが高まります。貧血は体の疲労感や倦怠感を引き起こす可能性があり、妊娠中の女性の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
分娩の準備
分娩時には出血が起こる可能性があるため、十分な鉄が必要です。鉄不足の場合、分娩時の負担が増加し、体力を消耗する可能性があります。
妊娠中に鉄を摂取することは、母体と胎児の健康を守るために非常に重要です。
妊娠中には鉄を多く含む食品や鉄サプリメントを摂取し
鉄不足を予防することが推奨されます。
サプリメントで便秘や、吐き気がくる場合もあるため医師と相談しながらもちいましょう。
素敵なマタニティ期間をお過ごしくださいね^^